鹿やイノシシなどの害獣を地域資源として活用!逆転の発想からできた返礼品
2018.08.23
全国の中山間地域では過疎化が進むと共に、鹿やイノシシなどの鳥獣被害が拡大しています。
その対策として害獣の捕獲を実施している自治体がほとんどですが、その厄介者扱いの害獣を地域資源として活用し、返礼品にしているケースが増えています。
詳しく解説いたします。
ジビエ料理で美味しく食べる
天然の野生鳥獣を狩猟で捕まえ、食材とする「ジビエ料理」はヨーロッパの古くからある伝統料理です。
日本でも古くより鹿やイノシシなどを捕獲し、食べる人はいましたが、臭いがきつく料理方法のバリエーションも少なかったため、あまり普及しませんでした。
しかし、鳥獣被害が拡大している今、ただ駆除するだけではなく資源として活用したいという流れが出てきています。
宮崎県三股町では、鹿のロース肉をヒマラヤ岩塩で味付けし真空調理をしたものに、特産品のごま「みまたんごま」のソースをつけたセットを返礼品のラインナップに加えています。
肉は加熱と共にタンパク質が凝固し、水分も出てしまうため、固くなりパサパサになりやすくなります。
しかし真空調理では、真空包装後62℃以下の低温でじっくり3日間加熱するため、鹿肉は柔らかくジューシーに仕上がります。
また長野県豊丘村では、ジビエ専門店による初心者向けジビエセットが返礼品として登場しています。
下処理がしっかりされている肉なので、調理しやすくなっています。
肉は鹿・イノシシ・ウズラの3種類。
日本ではあまり馴染みがありませんが、調理レシピも付いているので、家庭で手軽にジビエ料理が楽しめます。
コロッケやカレーなど馴染みのある料理にも!
返礼品として登場しているのは、おしゃれな洋風の料理だけではありません。
など、普段から馴染みのある料理もあります。
害獣とはいえ命がありますし、ただ捕獲して処分するだけではかわいそうですよね。
こうして日常的に捕獲した害獣を食肉として活用できるのは、資源の有効活用もできていいですね。
食べるだけじゃない!皮革も有効活用
長崎県対馬市や愛媛県今治市では、鳥獣被害対策で捕獲したイノシシの革を職人が手縫いで仕上げた名刺入れやキーケース、財布などを返礼品にしています。
野生のイノシシなので、革にも細かな傷がありますが、それが獣らしくワイルドだと好評のようです。
また、鹿革は靴の素材としては高級皮革です。
山梨県富士吉田市では、野生の鹿革100%の1枚革ブーツなどの高級靴を返礼品のラインナップに加えています。
あのキモかわいい深海生物も実は害獣!?もちろん返礼品に
ダンゴムシやフナムシの仲間で、キモかわいい深海生物としてちょっとしたブームになっているのが「オオグソクムシ」です。
実はこのオオグソクムシも、駿河湾ではヌタウナギ漁などで一緒に漁獲されると、網にかかった他の魚を食い荒らすことから漁師から厄介者扱いされている害獣なのです。
静岡県焼津市では、平成28年から生きたままのオオグソクムシをクール便で届ける返礼品が登場し、SNSなどで話題を集めています。
暑さに弱いですが、冷蔵庫で飼育できるそうです。
また、オオグソクムシの粉末を生地に練り込んだ煎餅は、焼津の人気土産になっています。
味はふつうに美味しく、返礼品にもなっていますよ。
最近ではイベント限定で、オオグソクムシ1匹をまるごとプレスした煎餅も登場し、1時間足らずで完売したほどの人気ぶりです。
他にも首都圏の居酒屋などで、まるごと素揚げした料理もあるようです。
害獣を活用しようとする動きが広まっている
このように、全国では鳥獣被害や漁に被害を与える海洋生物などを捕獲し、何らかの地域資源として活用するという動きが活発になっています。
製品化するまでは大変な努力と時間がかかるでしょうが、次はどのような物が出てくるか、楽しみですね。
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