能登半島の先端に位置する珠洲市(すずし)。土地の多くが海と接している珠洲市は「海の自治体」と呼ばれています。古い塩田と海を閉じ込めたような塩造りの製法が残る地域なのです。ふるさと納税にも、海がぎゅぎゅっと濃縮されています。「海と塩」をキーワードに、珠洲市の魅力をご堪能あれ!
古い塩造りが残る「海」と「塩」の町
奥能登 塩田のこまざらえ
珠洲市は、石川県の能登半島先端にある自治体です。お隣には輪島塗で有名な輪島市(わじまし)や、寒ぶりで有名な能都町(のとちょう)があります。ただ、二つの自治体と接しているのは珠洲市のほんの一部です。市の大部分は雄大な日本海に面しています。
珠洲市の美しい景観は映画にも使われました。『釣りバカ日誌』には珠洲市を舞台にした作品があります。『能登の花ヨメ』も珠洲市が舞台でした。
海に面していることから察せられるとおり、珠洲市は海に関する産業が盛んです。能登半島の海ではたくさんの魚介類が獲れます。また、古くから海と一緒に生きてきたたくさんの地域の中でも特に塩造りの技術が発達しています。
テレビや雑誌で塩造りの光景を目にした経験はありませんか。海水をくみ上げて浜に散布。その上から砂をかけ、ならす。そう、昔ながらの塩の製法です。珠洲市には日本唯一の「揚げ浜式塩田(あげはましきえんでん)」が残っており、500年間変わらぬ製法で天然の塩を作っています。
「海」、そして「塩」の町。それが珠洲市なのです。
返礼品にも「海」や「塩」がたくさん!
周囲をぐるりと海に囲まれているため、珠洲市のふるさと納税返礼品にはずらりと海の幸が並びます。
活サザエやカニなど、食べたくてもなかなか購入に踏み切れない高級食材が返礼品になっている様は、まさに海と接した地域特有という印象です。海の側の市町村にふるさと納税をする場合は、やはり返礼品に海産物を期待してしまいますよね。もちろん、珠洲市の返礼品もたくさんの海産物が「美味しく食べてね!」と言わんばかりに並んでいます。
珠洲市の天然塩
大谷塩(珠須市ふるさと納税)
特に面白い返礼品は「塩」です。珠洲市には日本で唯一の揚浜塩田が残っている関係で、返礼品にもずらりと塩が並んでいます。
塩自体は決して珍しいものではありません。スーパーマーケットやコンビニエンスストアで購入することができます。しかし、塩田で職人が丹精込めて作り上げた塩となると話は別です。「あら、お塩を切らしたわ」という時にそのへんのコンビニで購入する塩とは風味も伝統も別物です。
塩田で作られた塩には「海が宿っている」と言っても過大表現ではありません。一口舐めると波の音が聞こえてくる。そんな塩です。お鍋に入れると、海産物の味をさらに活かしてくれるような塩です。ミネラルたっぷりの揚げ浜式製法で作られた「塩」が返礼品として提供されているのは、珠洲市の大きな特徴です。
しおゼリー
さらに面白いのが、ちょっと変わった塩製品も一緒に並んでいるところです。皆さん、こちらの「透明なぷるぷるしたもの」が一体何かわかりますか?
海のなかましおゼリー(珠須市ふるさと納税)
水のように透明なこのぷるぷるしたものは、何と塩のゼリーなのです!それも、貴重な揚げ浜式製法の塩を使った一品です。
塩のゼリーはスプーンですくうとぷるぷるしており、口の中に入れると葛餅より柔らかで、とろけるような食感を楽しめます。味は、ほんのり甘い中に塩味が感じられ、一時期人気になった塩スイーツのよう。こちらもふるさと納税の返礼品として提供されている一品です。「しおゼリー」ぜひ一度味わってみてください。
しおサイダー
しおサイダー(珠須市ふるさと納税)
同じく塩が使われた「しおサイダー」もお勧めの返礼品です。
海と接し、海から恵みをたっぷり受け取ってきた珠洲市。そんな塩と海の町だからこそ作ることができたサイダーです。サイダー自体の透明感だけでなく、瓶のシンプルな透明感も実に涼し気です。
塩は春夏秋冬食卓に欠かすことのできない調味料ですが、夏は特にバテ防止に大活躍します。塩のゼリーと共に、おやつの時間を塩でいっぱいにしてみてはいかがでしょう。
お仕事や育児で疲れている時は、サイダーやゼリーといった優しい甘みが恋しくなります。お子さんのおやつとしてだけでなく、頑張る大人の癒しとしても嬉しい返礼品ですよ。
スイカとスイカ糖
すいか糖(珠須市ふるさと納税)
塩と言えば、関連深い夏の味覚を想像しませんか。しゃくりとした甘い果肉は夏の風物詩で、ポストカードなどにも蚊取り線香や風鈴と一緒に描かれていることが多い……そう、「スイカ」です。
珠洲市はスイカの名産地でもあります。浜風と海の栄養分をたっぷり含んだ珠洲市の大地で育つ「スイカ」は甘いと評判です。美味しいスイカには、栄養たっぷりの塩をかけていただきたいところ。
珠洲市にはスイカそのものだけでなく「スイカ糖」も返礼品として並びます。スイカ糖はスイカを煮詰めて作る甘味です。スイカを返礼品にしている自治体は数あれども、スイカ糖をお礼にしているところは珍しいのではないでしょうか。村上春樹さんに影響を与えたというアメリカの作家リチャード・ブローティガンの著書、『西瓜糖の日々』に感じるような、どこかメランコリックな味わいはスイカ糖ならではです。読書の際に珠洲市のスイカ糖をお供にしてみてはいかがでしょう。
珠洲焼
珠洲焼(飛びカンナお茶漬け碗)(珠須市ふるさと納税)
夕暮れ時の海の岩礁のような色をした伝統的な焼き物「珠洲焼(すずやき)」も返礼品として並びます。せっかくですから、地域の味覚を地域の色彩を帯びた焼き物でいただきたいですね。
寄付の使途はふるさとチョイスアワード受賞
ランプの宿
珠洲市の寄付の使い道はとても面白いものです。地域の生活活動拠点施設である「わかやま」の整備など、寄付は地域住民のために使われています。「わかやま」とは、市民が運営・出資するコミュニティービジネスの拠点です。地域の活性化のために市民が「わかやま」で地域の味を堪能できる食堂を展開したり、観光情報を発信したりしています。道の駅のような地域色の強い施設を「寄付」と「市民」が力を合わせて運営しているのです。
地域活性のための拠点整備へ寄付を活用する活動は、2017年ふるさとチョイスアワードで優秀賞を受賞しました。
珠洲市は海に接した「海」と「塩」で有名な自治体です。返礼品も、塩、塩、塩でいっぱいです。ミネラルたっぷりの塩や塩スイーツは、一度食べると塩の美味しさを再発見できるに違いありません。
ふるさとチョイスアワードを受賞した寄付の使い道も面白いものです。今後どんな使い方をするのか、返礼品と合わせて注目したいですね。
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