滋賀県のシンボルといえば琵琶湖でしょう。
日本一の大きさを誇る琵琶湖に面した町々は、古来より大いなる水の恩恵を受けてそれぞれに発展を遂げてきました。
そしてそれらの地には、長きに渡って人々を守り続ける神社が多く存在しています。
今回はその中から、草津市にある立木神社にスポットをあててご紹介したいと思います。
草津市ってどんな町?
近江大橋
草津市は滋賀県の南西部にある町です。県庁所在地である大津市に次いで、県内では第二位の人口を誇ります。
東海道と中山道が接する地であったことから、江戸時代には宿場町として栄え、現在でも近畿地方と東海地方を結ぶ交通の要として賑わっています。
中山道草津宿本陣門
市内には立木神社、伊砂砂神社 (いささじんじゃ)などの寺社、国指定史跡 草津宿本陣(大名が宿泊した施設)や草津宿街道交流館などの宿場町時代の風景を残した史跡といった、時代を偲ばせる観光スポットが数多く点在しています。
長閑な風景が広がる町なので、ゆったりと散策してまわる旅がお好みの方にはおすすめです。
また古くからお米の栽培が盛んな地域で、草津ブランドの近江米は質の高さと味の良さに定評があります。
琵琶湖が近いことから農産や水産に力を入れており、草津市としては本格的なブランド化を進めることを公言しています。
中でも、わさび菜の愛彩菜・草津メロン・琵琶湖からすま蓮根などは全国的に知られるようになり、お土産品としても人気が高いものとなっています。
奈良時代に起源をもつ立木神社の歴史とは?
立木神社はどんな神社?
御神徳(厄除開運・交通安全の大神)(立木神社HP)
滋賀県草津市にある立木神社は、なんと1200年もの歴史を持つとても古い神社です。
その創建は奈良時代とされ、現在に至るまで多くの人々の信仰を集めてきました。
敷地内には本殿・境内のほか、ゑびす神社、稲荷神社、立木弁才天、天照皇大神宮など多くの摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)(=同一境内にある小さな社)が鎮座しています。
厄除け・交通安全祈願においては名高い存在の神社で、混雑時以外であれば車での参拝も可能となっています。
そのためか、通勤に使う車や社用車などの参拝も多いようです。
立木神社の由来
立木神社の創建は、神護景雲(じんごけいうん)元年(767年)に武甕槌命(たけみかづちのみこと)が旅の道中にこの地を訪れたことに由来するとされています。
常陸国(ひたちのくに)(現在の茨城県)からこの地へと到着した武甕槌命は、手に持っていた柿の鞭を社殿の近くに刺したという伝説が残されています。
その後、不思議なことに柿の鞭から枝が伸び葉が茂り、やがてはそこに生え付きました。人々はこの柿の木を畏み、神殿を造り、社名を立木神社としたそうです。
柿の木はご神木として祀られ、時代を経た現在は代替わりをした柿の木が植えられています。
武甕槌命が刺した木の根株の一部は、今もこの神社に残されており大切に保存されているそうです。
道中安全祈願の所以
平安時代である延暦(えんりゃく)20年(801年)には、かの征夷大将軍・坂上田村麿(さかのうえのたむらまろ)がこの神社で道中安全祈願を行ったとされています。
東北征伐へと遠征する前に訪れたもので、厄除開運と道中の安全を祈願して大般若経一部を寄進したそうです。
その後、見事に東北鎮圧を成し遂げたとして篤く信仰されるようになりました。
立木神社(立木神社HP)
また江戸時代参勤交代の折には、諸大名が草津宿を通過する際にこの神社で道中安全を祈願したとされています。
立木神社で祈願をした大名は、事故災難に見舞われることなく無事に参勤交代を成し遂げることができたと伝えられ、一層に道中安全祈願のご利益があると信仰が厚くなったそうです。
四季折々の行事、おすすめポイントは?
立木神社では、さまざまな年中行事が開催されています。
お参りをするだけではなく行事にあわせて訪れることで、より立木神社の魅力が感じられるのではないでしょうか。
そこで立木神社を訪れる際に参考にして欲しい「おすすめポイント」をいくつかご紹介したいと思います。
節分大祭(せつぶんたいさい)
節分大祭(毎年2月3日)における厄除御祈祷(立木神社HP)
毎年2月3日に行われる節分行事です。
多くの参拝客で賑わうこの行事では、一日で2万個もの福がまかれます。
福は福餅・福銭・福豆で、これらの福をゲットするために境内に入りきらないほどの人々が集まるそうです。
厄除けを祈願する参拝のあとは、お神酒や甘酒で温まり、宝みくじで運試し。
この時期に草津を訪れるなら、ぜひ訪れてみてくださいね。
例大祭(れいたいさい)
毎年5月3日に行われる行事で、皇室・氏子崇敬者の平安を祈って御神輿(おみこし)が氏子地区を神幸(しんこう:お祭りでおみこしにのったご神体が移動すること)します。
御神輿の出立時には熱気がピークに達し、地域をあげての賑わいを見せてくれます。
またこの例大祭では、隔年ではありますが無形文化財に指定されている「サンヤレ踊り」も奉納されます。
市内7箇所の神社で行われるサンヤレ踊りは、室町時代から伝わる風流芸能です。
花笠姿の子どもたちを中心に楽器を打ち鳴らしながら行列を作る様子は、艶やかで活気があります。
七夕まいり
毎年7月1日~7月7日にかけて行われる行事で、期間中は境内に笹竹と短冊が用意されます。訪れた人が思い思いの願い事を捧げる様子は、古くから行われている夏の風物詩でもあります。
カラフルな笹竹が連なるように立てかけられる風景に、子どもも大人もほっこりすること請け合いです。
神社でのお願い事なので、なんとなく叶いそうな予感がしませんか?
七夕飾り(立木神社HP)
滋賀県草津市にある立木神社の魅力についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
草津市にはほかにも魅力たっぷりの観光スポットがたくさんあります。
機会があれば、ぜひ訪れてみてくださいね。
この記事に関連したタグ
関連記事
同じカテゴリの人気記事
最近の記事
-
初心者必見!ふるさと納税の返礼品を選ぶためのポイントとコツ
- 仕組み・制度・手続きガイド
- 2024.06.12
-
【2024年最新版】ふるさと納税入門!始める前に読むガイド
- 仕組み・制度・手続きガイド
- 2024.06.11