徳島県は全面積4,146.65平方キロメートルのうち、約8割を占めるのが山地という自然豊かな県です。
そうした山間の地域には、現在も放浪犬がいます。
放浪犬とは、野犬や係留されていない犬のことを指します。
県民からの捕獲・収容依頼や苦情などから、徳島県動物愛護センターでは放浪犬の保護・収容活動を行っています。
動物保護活動の一つとして、ふるさと納税を活用して放浪犬の中から災害救助犬を育てるという活動をしています。
放浪犬から災害救助犬を育成することは可能なのか、実際に災害救助犬になった犬「玄」と「モナカ」についての詳細と共に、ふるさと納税がどういった形で活用されているのかをご紹介していきます。
「玄」と「モナカ」、なぜ災害救助犬を目指すことになったのか
徳島県の山間部にて保護された「玄」と「モナカ」。
このとき、2頭は飼い主不明の状態でした。
保護した時点で推定3~4か月。
災害救助犬になるためには、様々なハードルがありました。
まずは、適正があるかどうかということ。
そして、仮に適正があったとしても災害救助犬になるためにはまず、6ヶ月の基礎訓練を受ける必要があります。
20頭ほどの候補犬から育成をし、最終的に災害救助犬になれるのがわずか1~2頭ともいわれる大変厳しい世界です。
災害救助犬には血統が強く関係しているとも言われているなかで、玄とモナカは血統を調べぬくことが不可能でした。
さらに、災害救助犬には一般的にラブラドールやジャーマンシェパードといった犬種が望ましいという傾向も知られているなか、放浪犬の多くは雑種犬…。
にも関わらず、玄とモナカが災害救助犬となる第一段階である基礎訓練に参加できたのはなぜだったのでしょうか。
2頭は、保護されたときの月齢がまだ若く、かつ個性がわかる月齢でした。
協調性があり、好奇心も強い…そして、嗅覚が鋭いといった適正が評価されたのです。
2頭は、6ヶ月の基礎訓練を受けることになりました。
厳しい訓練。候補犬となり、認定を受けるまで
認定審査を受ける「玄」
基礎訓練期間は6ヶ月。
一般的なペットと同じように、人の指示に従うことが出来るようになることからはじまり、指示を仰ぐように待つこと、指示に的確に動けるようになること、そして障害物へ対応できるようになること…と、段階をおって訓練を重ねました。
6ヶ月の間みっちり訓練を受け、その後、各行動の到達度チェックを受けて災害救助犬の候補犬としての認定を受けることとなります。
この訓練は、徳島県内にある民間施設「ノイマン・ドッグ・スクール」にて実施されました。
あまり知られていないのが、こういった訓練は犬のみではなく、ハンドラーと呼ばれる飼い主も一緒に訓練を受ける必要があるということです。
訓練を受けるための費用に、企業からの寄付やふるさと納税が充てられたのです。
認定式での「モナカ」の様子
ふるさと納税によって、放浪犬が災害救助犬に!
徳島県知事と、「玄」と「モナカ」
災害救助犬となった2頭は、南海トラフなどのリスクに対応すべく日々訓練を続けています。
いつ何が起こっても迅速に対応できるように、災害救助犬となった後も能力を維持するケアやアフターフォローが必要であり、これにはやはり費用が必要になります。
飼い主さん(ハンドラー)が自腹で費用を負担するなど、現在は厳しい財政状況が続いています。
災害救助犬の育成そしてアフターフォローには、たくさんの費用が必要になるということがわかります。
徳島県県動物愛護センターの係長である富久さんに、お話しを伺いました。
「ふるさと納税では、全国の方からの寄付をいただいております。
玄とモナカの2頭は現在県内での発災時対応を主に訓練や活動を続けております。
これからこの事業が発展し、なにかの形で全国的に活躍できる場所・機会があれば…と考えています」
ふるさと納税で、放浪犬が災害救助犬になるチャンスが与えられる。そして、災害救助犬となった犬たちが即応体制をとるためのアフターケアも出来る…。
動物保護、そして災害救助にもなるこの寄付は、大変有益なふるさと納税活用法であるといえるのではないでしょうか。
ふるさとOURとくしま応援サイト(徳島県ふるさと納税サイト)
徳島県ではふるさと納税の寄付を受付しています。
寄付は、動物愛護管理センターに収容された犬を「災害救助犬」や「セラピードック」として育成するために使われています。
これからの「玄」と「モナカ」の活躍を応援しましょう!
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