世界遺産の桜を守る!奈良県吉野町のふるさと納税は桜の保全活動支援を指定できる

2018.03.17

吉野の桜というと、平安時代頃から桜が多く植えられ、新古今和歌集など多数の和歌にも登場するほどです。今でも日本有数の桜の名所として知られています。

 

しかし、近年では立ち枯れなどの被害が目立っています。そこで吉野町ではふるさと納税の使い道の1つとして桜の保全活動に使うことにしています。

 

今回は、奈良県吉野町の桜の保全活動についてご紹介いたします。

 

古くから信仰と結びついた桜の名所

約1300年前には、山に神が宿ると信じられ、修験道の開祖と呼ばれる役小角が蔵王権現を桜の木に刻んだことから、ご神木として信仰されるようになりました。

 

参詣客がご神木である桜を献木することによって吉野の桜は増え、西行法師や松尾芭蕉、本居宣長など多くの文化人・学者が吉野を訪れ、たくさんの歌や絵、書物を残しました。

 

また、太閤・豊臣秀吉が総勢5千人の供を連れて、吉野山で花見をしたことでも有名です。戦争などで衰退した時期もありましたが、山を守ろうと懸命に努力した地元の関係者によって以前の様子を取り戻しつつあります。

 

しかし今、約3万本もある桜の木には、枝に寄生する植物や病原菌などが原因で枯れ枝から腐朽(ふきゅう)菌が入り込み、太い枝や幹まで腐朽が広がるなどの被害が目立っています。

 

腐朽被害増加の原因は寄生植物や病原菌だけではない?

ウメノキゴケやヤドリギなど桜に寄生する植物や、ナラタケ菌などの病原菌による土壌感染などが主な原因と言われています。

 

寄生植物によって覆われてしまった部分は、樹冠の蒸れや日照不足が起こり、腐朽被害が広がります。樹齢が高い木などは特に被害が大きくなっています。

 

生育本数が過密になっている箇所も多く、湿気がこもりやすいなど被害が広がりやすい環境のなか、地域住民が中心となって下草刈りや幹の苔落とし、ヤドリギの除去などを行なっています。

 

 

しかし、急斜面で作業を行うケースも多く、熟練した技術が必要な上に過疎化・高齢化によって深刻な人員不足に陥っています。このままでは3万本の桜を管理することが厳しい状態と言えるでしょう。

 

吉野町のふるさと納税の使い道は5種類から選べる

そこで、吉野町ではふるさと納税の使い道の1つに桜の保全保護を選べるようにしました。

 

他にも吉野町は吉野杉や吉野桧も有名で、自然が溢れ歴史の舞台に何度も登場してきた町です。1990年には日本さくら名所100選に、2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」として吉野山・高野山から熊野にある霊場と参詣道がユネスコの世界遺産に登録されています。

 

そのため、吉野町のふるさと納税の名称は「世界遺産・吉野ふるさとづくり寄附」となっています。その使い道は次の5つです。

 

・吉野の桜コース(桜や世界遺産・自然環境の保全保護)
・吉野の産業振興コース(森林保全・育林支援、商工業支援、観光振興)
・吉野の教育・福祉コース(教育施設・地域医療・福祉施設の充実)
・吉野町長にお任せコース
・吉野町内の自治会・町内会・区への支援コース(指定された自治会・町内会などに交付)

 

平成28年度のふるさと納税の集計では、吉野の桜コースが最も多く2,400件以上・3,500万円以上の寄付が集まりました。

 

吉野山周辺住民から組織され、吉野山の保護・保全活動をしている「財団法人 吉野山保勝会」の調査によると、吉野山周辺はもともと桜が育つのに適した環境ではなかったそうです。

 

しかし、適正な生育密度や樹齢構成の管理や、ナラタケ菌の感染や寄生植物や病虫害を改善できれば、桜の木の生育にとくに不敵ではないと言われています。

 

ふるさと納税で集まった寄付金で桜の保全活動が充実すれば、これからも吉野の桜は美しく咲いて人々を楽しませてくれることでしょう。

 

奈良県吉野町 ふるさと納税

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