ふるさと納税のメリットはさまざまなものがありますが、通常は地元を応援するために寄付を行い、お礼として返礼品を受け取れるというものです。
個人や個人事業主、企業が寄付することで税金が控除されたり、その寄付金額を経費として計上することも可能なのですが、実際はどのようなメリットや活用方法があるのでしょうか?
今回は、個人と企業に分けて、ふるさと納税を利用する際のメリットと注意点、寄付の方法についてご紹介いたします。
ふるさと納税は経費として計上できるのか?
個人事業主はふるさと納税は経費として計上することができます。個人事業主の場合、必要経費として計上し、所得税控除を受けることができます。
企業の場合、原則経費として計上することができず、損金という扱いになります。ですが、企業版ふるさと納税では、公共性の高い政策の場合や政策的意図のあるプロジェクトに寄付をした場合は、法人税控除の対象にすることができます。
控除の上限額って何?
ふるさと納税を含めた寄付金の控除の限度額は、所得税は所得の40%まで、住民税は30%までと決められています。また、特別控除には別途上限額が定められていて、所得額や確定申告の方法によっても記入すべき金額や項目が変わります。どの範囲に該当するかは税理士に確認するか、各種シミュレーターで確認をしましょう。
また、ふるさと納税以外にも寄付を行っている場合は他の寄付金額と合算されるため、より綿密な計算が必要になります。納税という言葉がついてはいますが、他の寄付と分けることはできません。NPOや地域の振興のためなど、ふるさと納税以外にも寄付をしている場合は注意が必要です。
ふるさと納税のメリット
個人事業主の場合
個人事業主が経費としてふるさと納税を利用する場合、実質2,000円の負担により、税金が控除されるというメリットがあります。地方自治体を支援しながら、好きな特産品を受け取れることもふるさと納税が人気な理由の一つです。
嬉しいメリットがある反面、上限額が決まっていたり、ワンストップ特例制度を使わない限り、確定申告が必要という若干の手間があります。
ワンストップ特例制度では5自治体までしか 寄付が出来ないという制限もありますが、確定申告をする必要がないので、個人事業主の方にはおすすめですが、自治体から送付される書類にサインして返送する必要があるので、注意が必要です。
企業の場合
企業がふるさと納税を行う場合、個人とは違う制度を利用することになります。企業版のふるさと納税は「地方創生応援税制」という制度で、個人と違い返礼品がありません。
■企業版ふるさと納税のメリット
企業版のふるさと納税「地方創生応援税制」のメリットは2点あります。
1,法人税が控除される
法人がふるさと納税を行うには、地方自治体へ寄付を行うという形になります。
企業が寄付できる対象は、地方自治体の地域産業振興や移住・定住を促すためのプロジェクトになります。そういった地方自治体のプロジェクトに寄付をすることで、地方税である法人住民税・法人事業税から優先的に控除されますので、企業としての節税が期待できます。
2,CSR活動をPRできる
地方自治体へふるさとふるさと納税を行うことで、ステークホルダーに対するPRにつながります。地方自治体のプロジェクトは様々なものがあり、内閣府地方創生推進事務局のホームページ には、実際のプロジェクトの内容や事業費、どんな企業が寄付したかが掲載されています。
■企業版ふるさと納税で注意したいこと
個人の場合、魅力的な返礼品があるというのがイチ魅力ですが、企業版ふるさと納税の場合は必ずしも返礼品があるというわけではありません。
自治体との官民癒着を防ぐため、返礼品を用意していないケースが場合があります。
また寄付できる地方自治体に制限がありますので、事前に寄付を検討している団体に確認が必要になります。
また、企業版ふるさと納税で企業が返礼品を受け取った場合、受贈益として法人税が掛かるので、寄付する際は注意が必要です。
■ 寄付できる地方公共団体のポイント
・「地方版総合戦略」を策定する地方公共団体が対象
・地方交付税の不交付団体である
・市町村については、その全域が地方拠点強化税制の支援対象外地域とされている団体であること
・企業の主たる事務所が立地する地方公共団体に対する寄付は対象外。
寄付の方法はこうする!
個人の寄付方法
個人事業主の場合、地方自治体のメディアから直接問い合わせなどを行い、寄付することができます。他にも市町村と契約したメディアがあり、各市町村の情報が一括でまとめられていますので、メディア経由で寄付することもできます。
企業の寄付方法
企業版ふるさと納税で企業が寄付を行う場合、個人と違い、Webメディア経由で寄付することができません。そのため、実際にどんなプロジェクトがあるかを確認する必要があります。
寄付するプロジェクトが決まった後は、該当する地方自治体へ寄付を希望している旨を申し出るところから始まります。寄付を申し出て、地方自治体が申し出を受けつけ、国に認められてから実際に支払いが始まります。
まとめ
ふるさと納税を利用する目的としてはCSR活動のためであったり、魅力的なお礼の品が届くことが魅力でもありますが、大切なのは地域が活性化することです。
自分の生まれた地域を活性化させたり、お世話になった地域を応援し、日本を元気にするためにもふるさと納税を利用してみてはいかがでしょうか。
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