噴火による災害復興目的の寄付に還元率4割の温泉感謝券が登場

2018.03.01

平成30年1月23日に起きた草津白根山の噴火によって、草津温泉郷内の旅館・ホテルは宿泊キャンセルが続出し、スキー場は一部閉鎖されたことでスキー客が減少するなど観光業に大きな影響が出ています。

 

そこで群馬県草津町では、寄付金の使い道を災害復興に限定したふるさと納税を募ることにしました。

 

返礼品は通常よりも高い還元率になるそうです。

 

今回はこちらについて詳しく解説します。

噴火翌日までに14,000人以上の宿泊がキャンセル

立ち入り規制がされている火口周辺以外では安全が確保されているとは言え、TVなどで噴火のニュースを見ると「行くのは延期したほうがいいかも」「やめておこうかな」と思う人も多いことでしょう。

 

噴石が飛んだ映像を見て、街中にいても噴石が飛んでくるのでは、と誤解した外国人客のキャンセルも多いそうです。

 

確かにスキー場のロープウェイのガラスが割れた映像や、死亡者が出たという報道を聞くと、そう思われてしまうのも仕方がないかもしれません。

 

草津温泉旅館協同組合が実施したアンケートによると、噴火翌日の時点で宿泊キャンセルが14,000人以上という結果も出ています。

風評被害への対策と観光業界支援のための寄付

実際には街中にある役場は噴火口から5.4kmも離れていて、噴石が飛んでくる可能性はなく、雪が溶けた泥流が町に流れ込む可能性がないことも専門家の調べで確認されています。

 

過去の災害でも一度立ってしまった風評が落ち着くのには時間がかかっていることから、草津町では科学的な根拠を示しながら、安全性を訴えていく考えのようです。

 

しかし、それだけでは実際にキャンセルなどで被害を受けている観光業の支援になりません。

 

そこで草津町はふるさと納税を利用し、観光業の支援と災害復興に寄付金の使い道を限定した寄付を募ることに決め、災害支援目的の寄付限定で返礼品の「くさつ温泉感謝券」の還元率を通常の3割から4割にUPすることにしました。

 

寄付の受付期限は平成30年1月27日から3月31日までの予定で、感謝券の有効期限は通常と同じ1年間です。

 

くさつ温泉感謝券は草津町内の旅館や飲食店、レジャー施設など300の施設や店舗で使える商品券です。

 

寄付をしてくれた人に商品券を贈ることで、多くの人が観光に草津を訪れ、消費が生まれます。

 

草津町に観光客が増えれば、今は落ち込んでいる観光業界を元気づけられるのではという考えのようです。

災害支援のために義援金よりもふるさと納税をするケースが増えている

以前は被災地の支援には募金や義援金を振り込んだり、その地域のアンテナショップで特産品を買うなどのケースが目立ちましたが、最近は被災地の自治体に直接寄付できるという点からも、ふるさと納税で応援するケースが増えています。

 

東日本大震災や熊本地震などの災害では、被災地の自治体にたくさんの寄付が集まっていますから、今回のふるさと納税にも多くの寄付が寄せられ、温泉感謝券を利用しに草津温泉やスキー場を利用する人が増えてくれることを期待したいところです。

 

草津温泉やスキー場に以前のような多くの観光客を呼び戻すのには時間がかかるでしょうが、ふるさと納税の寄付で復興支援がしやすくなったのは、寄付する側もされる側にとっても良いことですね。

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