今住んでいる自治体へふるさと納税するメリット

2018.10.16

ふるさと納税のメリットというと、返礼品と税控除でお得だということが注目されがちです。
しかし、自分の納めた税金(寄付したお金)の使い道を選べる、という点から納税についてよく考えるきっかけになるという見方もできます。

 

ということは自分の住んでいる自治体へふるさと納税すれば、
居住地の公共サービスや自治体の取り組みを理解した上で、寄付金の使い道を選べる
のではないでしょうか?
 
しかし、ふるさと納税と言うと、地方の自治体へ寄付するケースがほとんどで、居住地への寄付が認められているかどうかもよくわからないという方もいらっしゃるのでは?

 

そこで、今回は居住している自治体へふるさと納税するケースについて詳しく解説いたします。

 

居住地の自治体へのふるさと納税は可能

居住地の自治体へふるさと納税することは禁止されていません。
 
しかし、一部の自治体では、居住者の寄付ができないところもあるようなので、確認は必要です。
地方税法によると、以下の2つにあてはまらなければ、税額控除の対象になります。
 
・ふるさと納税した人が、その寄付によって設けられた設備を専属的に利用している
・ふるさと納税することによって、特別な利益をその人(寄付者)が得ていると認められる

 

申込方法や手続き方法も従来と一緒

寄付先が居住地の自治体であっても、申込方法やその後の手続きは他の自治体へのふるさと納税と同じです。

 

ふるさと納税による大都市圏自治体の税減収ダメージは大きい

魅力的な特産品に惹かれてふるさと納税をする人は多く、大都市圏に住む多くの人が地方自治体へふるさと納税すれば、本来入るはずだった税収が地方へ流れてしまい、大都市圏の自治体は大幅な減収に悩まされる、といったニュースを見かけたことはありませんか?

 

その75%は地方交付税交付金で補填される場合もありますが、もともと財政が豊かな大都市圏の自治体には交付されません。
税収が減ると、
本来住民に提供される公共のサービス(公立保育所の運営費など)の予算が少なくなり、今までよりもサービスの質や内容が悪化してしまうという問題点
も挙げられています。

 

東京都の世田谷区では、ふるさと納税に絡んだ税収減が2017年度には30億円にも及ぶと推計されています。
これは学校が1校建設あるいは改築できる規模とも言われ、他の地域でも100人規模の公立保育所100ヶ所以上の年間運営費と同等の税収減というケースもあり、待機児童問題などにも大きな影響を与えそうです。

 

たしかにふるさと納税で美味しい特産品が安く手に入り、税金の控除が受けられるのはとても嬉しいですが、それが原因となって居住地の公共サービスの質が悪くなってしまっては困ってしまいます。

 

大都市圏の自治体でも返礼品の充実が進んでいる

大都市圏の自治体だと返礼品もあまり期待できそうにない、と思われるかもしれませんが、そうでもありません。

 

一部の自治体では、返礼品の充実を図っています。

 

例えば、
すみだ水族館の年間パスポート(墨田区)
花火大会の観覧席ペアチケット(立川市)
地元にちなんだ焼き菓子のセット(中野区)
などなど。

 

また、返戻品ではなく代わりになる対策を検討中の自治体もあるようです。

 

居住者には返礼品がないケースもあるので注意

これは大都市圏だけに限ったことではありませんが、 居住者は返礼品をもらえない ケースもあるようです。
ふるさと納税する前に、よく確認する必要があります。

 

ふるさと納税で自分の住んでいる自治体を応援!

このように、ふるさと納税で返礼品と税控除のメリットを受けられる反面、寄付者が多い大都市圏の自治体ではふるさと納税に絡んだ税収減が大きな問題となっています。
地域の住民サービスにも影響を与える可能性もあるので、返礼品の充実や代わりの対策を検討している自治体も多いようです。

 

今住んでいる町がより住みやすくなるように、居住地の自治体にふるさと納税をしてみるのもいいですね。

 

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