春は卒業式から入学式、お花見にGWなどイベントが目白押しの季節です。
しかし、そんなイベントにマスクとメガネが手放せない人が急増しています。
この季節に飛散のピークを迎えるスギやヒノキの花粉に対するアレルギー反応から起こる花粉症は、今や国民の4人に1人が患っているそうです。
内服薬や目薬などで症状は軽減できますが、将来的に花粉症をなくそうという動きもあります。
自治体の中では、ふるさと納税を活用し、花粉症の原因となるスギやヒノキの間伐を行う広域連携ガバメントクラウドファンディングのプロジェクトがスタートしました。
今回はその「花粉症ゼロプロジェクト」について詳しく解説します。
まずは2自治体の連携からスタート
花粉症ゼロプロジェクトは、花粉症の原因となるスギ・ヒノキを間伐して花粉の飛散量を抑え、将来的に花粉症をなくす取り組みです。
まずは愛媛県上島町(かみじまちょう)と広島県神石高原町(じんせきこうげんちょう)がプロジェクトに参加しています。
花粉症ゼロプロジェクトを応援する人々からの寄付金は、スギ・ヒノキの間伐や適切な山林保全事業の資金として使われます。
スギ・ヒノキの間伐で花粉の飛散を抑えるとともに災害リスクを軽減
元々スギ・ヒノキの花粉は人間に対して無害なものです。
しかし、戦後に木材の需要が高まった際、成長が早いスギやヒノキが多く植樹されました。
全国的に多くなったスギ・ヒノキの花粉に対して人間がアレルギー反応を示すようになったのが花粉症です。
近年では山林地域の過疎化や高齢化で木々の手入れが行き届いていないことから、土砂崩れなどの自然災害のリスクも高まっています。
これらのリスク軽減のためにも間伐は有効な手段と考えられています。
花粉症対策と海へつながる山林の保護
愛媛県上島町(かみじまちょう)は瀬戸内海にある町です。
国内で初めてレモンを栽培した土地で、まだ熟していない「青いレモン」やミカンなどの柑橘類、樹齢300年の松林などが有名です。
瀬戸内海から水揚げされる豊富な海産物も名産品です。
台風の通り道になることが多く、防風林としてスギを植樹していましたが、手入れ不足の山林は豪雨によってたびたび土砂崩れが発生し、漁場へも影響を与えています。
そのため、上島町では「花粉症対策×海へと繋がる島の山林を守りたい」という新規事業を立ち上げて間伐を行い、本来の里山の姿を取り戻していくための支援をふるさと納税で募ることにしました。
寄付は2019年5月22日まで受付予定で、目標額は300万円です。
スギ・ヒノキの間伐と広葉樹の植樹で花粉症削減を目指す
広島県神石高原町(じんせきこうげんちょう)では「花粉症の原因となっている、スギやヒノキの間伐、広葉樹の植樹を通して、花粉症削減を目指す」事業のための支援を募集しています。
スギやヒノキのように根が浅い針葉樹から、根を深くはる広葉樹に植え替えることで山林の地盤を強固にして、土砂災害発生や被害を抑制します。
これによって花粉飛散が少なく、災害に強い森作りを目指しています。
まずは町内にある約2反(約2,000平方メートル)の森林の40%を間伐し、残った針葉樹の間に、コナラやシラカシなどの広葉樹を植樹する予定です。
寄付の受付は2019年4月30日までの予定で、募集額は300万円です。
「花粉症ゼロ」な未来のためにできること
花粉症は健康被害だけではなく、医療費による財政圧迫や花粉症の症状で集中力が低下し仕事効率が下がることで、試算では数億円規模の経済的損失も発生しているといわれています。
過ごしやすい春の季節に花粉を気にせず外出できる未来の実現をふるさと納税で応援してみるのはいかがでしょうか?