ふるさと納税を活用し、地域振興に貢献できる起業家を支援する「ふるさと起業家支援プロジェクト」が2018年4月から始まりました。
応援したいプロジェクトは、ガバメントクラウドファンディング形式で支援できます。
2018年6月時点で8つのプロジェクトが募集中ですが、今回はその中から
「宇宙飛行機開発」
「車椅子型セグウェイ」
の2つのプロジェクトについて詳しく解説いたします。
「誰もが気軽に行ける宇宙」を実現するための宇宙飛行機開発
「宇宙へ行ってみたい」と思う人は多いでしょうが、特殊な訓練を受けた人しか行けないのが現状です。
そこで、
「誰もが気軽に行ける宇宙」を実現するための宇宙飛行機を開発しよう
というプロジェクトが、愛知県碧南市で始動しました。
航空機のように翼を持つ「宇宙飛行機(スペースプレーン)」を開発しているのは碧南市にある中小企業・PDアエロスペース社です。
高度100km以上の「宇宙の入り口」を体験できる
宇宙飛行機がロケットと違う点は、航空機のように空港で離着陸ができ、何度も使用可能なところです。
飛行時間は約90分(そのうち無重量時間は約5分)。
周回飛行ではなく、宇宙の入り口(高度100km以上)に達した後は、重力によって落下する弾道飛行(サブオービタル)を行う予定です。
それを可能にする、1台でジェットエンジンとロケットエンジンの燃焼モードを切り替えできるエンジンを開発中です。
特許取得済みで、既に実証実験には成功しています。
商用運行の開始予定は2023年!無人機を使って開発中
宇宙旅行の商用運行の開始は2023年を予定していますが、まずは無人機での高度100km到達を目指しています。
今回のプロジェクトは、この無人機の開発費用に活用されます。
支援者へのお礼の品として、サンクスメールと進捗報告書(半年に1回程度)、宇宙飛行機(無人機)完成発表会参加権、パイロットビュー(飛行実験機体からの映像)のVR視聴などがあります。
スケールの大きいプロジェクトですが、夢を叶えるための挑戦を応援したいと考える人も多いようです。
誰でも砂丘が楽しめるために車椅子型セグウェイを導入
鳥取県の観光スポットといえば、まっさきに浮かぶのは「鳥取砂丘」ではないでしょうか。
しかし、観光客のほとんどは、「ちょっと見るだけ」「少しだけ散策」で帰ってしまうそうです。
もっと砂丘を満喫してもらいたい、砂丘をもっと魅力ある観光地にしたいという考えから、
体の不自由な人でも砂丘を楽しめる車椅子型のセグウェイの導入を目指すプロジェクト
が始動しています。
簡単に乗れて安全で非日常感も楽しめるセグウェイ
セグウェイは近未来的な乗り物に見えますが、初めて乗る人でも簡単に乗りこなせる上に、安全といわれています。
その上、目線が通常よりも20cm近く高くなるので、見る景色が変わって非日常感も味わえます。
実際に平成30年春には、従来のセグウェイによる砂丘周遊体験が実施されました。
参加者からは「散歩と違って疲れない」という声が多数あったそうです。
イタリアでは車椅子型セグウェイも既に普及している
今回導入を目指している車椅子型セグウェイですが、イタリアではすでに普及しつつあります。
体の不自由な人や、足腰の弱い人の移動手段の1つとなっていて、オフロードでも走行できる性能を備えているので、まさに砂丘にぴったりな乗り物といえるでしょう。
鳥取砂丘では現在も砂丘地用の車イスがありますが、押す人の負担が大きいことが難点。
車椅子型セグウェイの導入に期待が集まっています。
集まった寄付金は、車椅子型セグウェイの導入や検証のための費用の一部として活用されます。
お礼の品としては、砂丘セグウェイ無料体験や非売品の砂丘セグウェイ砂像が贈呈されるそうです。
鳥取県では以前から起業家支援が行われている
2018年6月現在、募集中の起業家支援プロジェクト8つのうち、5つが鳥取県によるものです。
鳥取県は「人口最少県・課題先進県」として、今回のプロジェクトよりも先駆けて、2017年から「とっとりスタートアップキャンプ(TSC)」と称し、県内経済に貢献が期待できる起業家を発掘・支援しています。
たとえば、
- ・特産品の梨の葉にポリフェノールが含まれていることを活用した「なしば茶」の量産化
- ・築100年の古民家を産院に改修し、医療介入を最低限にとどめた楽しい・嬉しい・幸せなお産の実現を目指すプロジェクト
など、さまざまなタイプのプロジェクトが始動しています。
どれも地域振興のためによく考えられたものばかり。
返礼品の内容で寄付先を決めるのもいいですが、大きな夢への挑戦を応援するのもいいかもしれませんね。