ふるさと納税の寄付金は各自治体でさまざまな形で活用されていますが、中でも子どもを産みやすい・育てやすいまちにするためにいろいろな支援を行っている自治体はとても多いです。
今回はその中から3つの自治体のケースをご紹介します。
出産祝い金が最大100万円!子育て支援に熱心な大分県豊後高田市
大分県豊後高田市(ぶんごたかだし)にはふるさと納税で約2億5,000万円の寄付金がよせられましたが、その資金で手厚い子育て支援を行っています。
豊後高田市では、これまでにも高校生までの子どもの医療費や幼稚園・小中学校の給食費や放課後学習サポートが無料であったり、保育園・幼稚園から高校までの全教室が冷暖房完備になるなどの子育て・教育支援が実施しています。
さらに2019年の4月から新たに市内保育園の保育料と公立幼稚園の授業料に給食費が完全無償化されました。
そして、子育て応援誕生祝い金として最大100万円が支給されることになりました。
4ヵ月 | 1歳 | 2歳 | 3歳 | 支給額合計 | |
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第1・2子 | 10万円 | なし | なし | なし | 10万円 |
第3子 | 10万円 | 20万円 | 20万円 | 50万円 | |
第4子以降 | 10万円 | 30万円 | 30万円 | 30万円 | 100万円 |
祝い金が支給されるのはそれぞれ4ヵ月・1歳〜3歳に達した時で、途中で豊後高田市外に転居した場合は受け取れません。
豊後高田市は「子どもの笑顔があふれるまち」を目指しているとのことですが、確かにこんなに手厚い支援が受けられるならば、子育て中の世帯にとってはすごく魅力的に感じられますね。
こども園や公営塾無料公営塾などが無料で利用できる北海道上士幌町
北海道上士幌町(かみしほろちょう)では、ふるさと納税寄付金を基金として「子育て少子化対策夢基金」を設立し、さまざまな子育て支援を実施しています。
その1つは、2026年までの町認定こども園の完全無償化です。
どろんこ遊びやアスレチック体験ができる施設が隣接し、子どもたちがのびのび遊べるだけではなく、外国人講師が常駐しコミュニケーションを通じて園児たちに英語を教えています。
学校教育でも少人数学級を取り入れ、「書く」「話す」練習を積極的に実施することで伝え方を工夫できるような環境づくりをしています。
夏休みと冬休みには町営塾が無料講習会を開き、地元中学生の約70%が受講しています。
特に子育て世代に好評なのが「子育て支援カード」です。
18歳以下の子どもがいる世帯が利用可能なスタンプカードで、スーパーやドラッグストアなど日常の買い物のほかに、ガソリンスタンドなどでも使えます。
100円で1ポイントたまり、400ポイントたまると5,000円分の商品券に交換できます。
小さな子どもがいると、買い物へ行くのも大変ですが、地元でこんなにお得なポイントカードがあると便利ですね。
「オンリーワンの子育てのまち」を目指しているだけあって、幅広い子どもの年代に合わせた子育て支援を行っているようです。
サポーター制度を活用して子育て支援する千葉県南房総市
千葉県南房総市(みなみぼうそうし)では、先にご紹介した2つの自治体とはちがった形でふるさと納税を子育て支援に活用しています。
南房総市は「ふるさと育英サポーター制度」として、ふるさと納税を資金にして子どもの教育や進学を支援しています。
寄付希望者がこのサポーター制度に登録すると、毎月自動的に寄付(ふるさと納税)が行われます。
1ヵ月あたりの寄付額は2,000円以上1円単位で設定可能になっていて、次のような事業に活用されています。
学校外教育サービス利用助成事業
子どもが塾やスポーツ教室など学校外の教育サービスを受ける際に利用可能なクーポンを世帯の所得に応じて月額1,000〜7,000円分交付されます。
進学のための奨学金制度の拡充
より多くの子どもたちが平等に教育を受けられるよう、さまざまな理由で進学をあきらめることがないように奨学資金として活用しています。
ふるさと納税は受け入れ額が月ごと、年度ごとに変動するため、自治体は予算を組みづらい問題を抱えています。
実際予想よりも寄付金額が少なかったために予定していた計画を中止するケースもあるそうです。
しかし、このサポート制度のように毎月定額が寄付されれば、自治体も長期的に安定した財源予想が可能になるので、より効果的に寄付金を活用できます。
ふるさと納税は子育て支援を充実させている
寄付金を子育て支援に活用している自治体はたくさんあります。
今回ご紹介した自治体のように支援を必要としている子育て世代が直接的な恩恵を受けられるタイプは、寄付する側にとっても社会貢献しているとわかりやすくていいですね。