2017年はふるさと納税に関する様々な出来事がありました。全体的に目立った点は、ふるさと納税の本来の意味を再発見できたことです。そして総務省から2018年につながるクラウドファンディング型寄付推進の発表も行われました。今回は2017年に起きたふるさと納税ニュースを総括します。
ふるさと納税見直しへ
まずは2017年前半のふるさと納税ニュースを見ていきましょう。2017年4月、総務省から各自治体へ通告があり、ふるさと納税本来の目的を考えるきっかけとなりました。5月、異常気象のため「訳あり品」を出品した長野県上田市。そんな上田市に届いた声とは?さっそくご紹介しましょう。
4月 総務省より寄付額の3割以下の返礼品にするように通達
ふるさと納税の目玉と言えば、寄付金額に応じてもらえる返礼品でした。そのため多額の寄付金を受け取れるのは、豪華な返礼品を取り揃えているところばかり。各地域はより多くの寄付を得ようと、返礼品競争が過熱していた時期です。
そんな時に、総務省が返礼品競争の自粛を求める通告を行ったのです。具体的な通告内容は以下の通りです。
・返礼品を寄付額の3割以下に抑える
・商品券やプリペイドカードのような金銭類似性の高いものは返礼品としない
・電子機器や貴金属のような資産性の高いものは返礼品としない
このような通告が行われた背景には、返礼品の過熱競争のほかに以下の問題点がありました。
・都市部の税収減少
・寄付金の半分が費用に使われる
・返礼品の換金と転売
特に大きな問題が、寄付金が十分に活用されていないことです。自治体を支援するために行われた寄付金は、返礼品送料や広報費用などに使われていたのでした。
通告をきっかけに、ふるさと納税本来の目的が見直されました。ふるさと納税の目的は、返礼品目当てではなく、応援したい自治体に寄付をすることです。返礼品過熱競争に疑問を呈し、京都府長岡京市などは返礼品を廃止しています。
5月 異常気象のおかげで、ふるさと納税再発見
返礼品には、その自治体で収穫される野菜や果物が出品されることが多いです。しかし2017年の春は、異常気象が原因で、返礼品の農作物の出荷が遅れたり、出荷自体が出来なかったりしました。
そんな中、長野県上田市は見事にピンチをチャンスに変えたのです。上田市は、ひょうで傷がついたリンゴを「訳あり品」として出品。落胆した農家を助けたいと思った市の取り組みでした。すると寄付と共に、たくさんの農家への応援メッセージが届いたのです。ふるさと納税の本来の目的で一つである、「困りごとを助ける・解決する」という意味を再発見できた出来事でした。
返礼品に変化が生じる
2017年の後半は、前半の流れをくんだ形でふるさと納税の返礼品に変化が生じてきました。これから紹介するのは、ライフスタイルに合った返礼品と、子供たちや被災地のために募る寄付金プロジェクトです。
ライフスタイルに合った返礼品
ふるさと納税の返礼品は物品や食物だけではありません。さまざまなユニークな活動が返礼品となっています。秋田県湯沢市は「雪下ろし代行サービス」を出品しました。ターゲットは、高齢の親を残して地元を離れた人々です。
三重県四日市市が出品するのは「ご先祖見守りサービス」。市営霊園の除草と供花をするサービスで、兵庫県加西市でも実施されています。
栃木県小山市の返礼品はさらにユニークなものです。なんと一人暮らし高齢者の見守りサービスを開始しました。具体的な内容は、ヤクルトの販売員が対象の家庭に訪問し、高齢者の安否確認と話し相手になるというものです。
いずれも形に残る「物」ではありませんが、寄付者のニーズとまちの安心・安全の両方にマッチした素晴らしい返礼品ですね。
ふるさとチョイスアワード2017大賞事例は?
株式会社トランスバンクが主催する「ふるさとチョイスアワード2017」が11月30日に開催されました。そこで選ばれた最も優れたふるさと納税最優良事例が、群馬県前橋市の「タイガーマスク運動支援プロジェクト」です。
2010年に話題となった「タイガーマスク運動」。この運動を最初に行った方が前橋市の会社員ということで、児童養護施設などを巣立つ若者を支援する「タイガーマスク運動支援プロジェクト」が実施されました。
他にも、愛知県上島町とNPO法人ピースウィンズ・ジャパンがコラボして、国内外に住む被災地の子供たちのために教育支援プロジェクトを実施しています。
クラウドファンディング型ふるさと納税推奨へ
2017年の流れを受けて、総務省はクラウドファンディング型ふるさと納税を今後推進していくことを発表しました。クラウドファンディングとは、インターネットを利用した資金調達方法です。
クラウドファンディング型ふるさと納税のメリットは、使い道が明確であること、政府主体のプロジェクトなので安全性があること、そして寄付がふるさと納税の対象となることです。節税と共に地方の活性化に貢献できるということですね。
すでに数々のガバメントクラウドファンディングが実施されています。佐賀県NPOが支援する「こども救済システム」では、子供の経済的貧困と関係性の貧困を救済します。外国人観光客が増加している岡山県玉野市は、姉妹都市アメリカ・グロスター市に学生を派遣するグローバル人材育成プロジェクトに取り組んでいます。
2018年は使い方が明確かつ、寄付金で地方自治体の活性化に役立つ、もしくは問題・課題解決に役立つガバメントクラウドファンディングが更なる飛躍を遂げることでしょう。
2017年はふるさと納税の在り方を問う年でした。これまでに過熱していた返礼品競争にストップがかかり、本来の目的を再発見できた自治体が非常に多いです。また寄付金の使い道も多様化したのは大きなポイントですね。寄付をするわたしたちも、新しい視点を持ってふるさと納税に参加してみることが大切ではないでしょうか。2018年はふるさと納税にとって、どのような年になるのか楽しみですね。
この記事に関連したタグ
関連記事
-
にゃんにゃんにゃんの日に考える!ふるさと納税で犬猫を守ること
- 寄付先ナビ
- 2018.02.22
-
噴火による災害復興目的の寄付に還元率4割の温泉感謝券が登場
- ニュース
- 2018.03.01
同じカテゴリの人気記事
-
「地場産品」ってどんなもの?総務省が定める「ふるさと納税返礼品」の定義を詳しく解説
- ニュース
- 2019.02.28
-
返礼品は地場産品に限定?!総務省が新たに通知
- ニュース
- 2018.06.27
最近の記事
-
初心者必見!ふるさと納税の返礼品を選ぶためのポイントとコツ
- 仕組み・制度・手続きガイド
- 2024.06.12
-
【2024年最新版】ふるさと納税入門!始める前に読むガイド
- 仕組み・制度・手続きガイド
- 2024.06.11