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平成29年度のふるさと納税ランキングなど、総務省発表の現況調査結果を解説

2018.08.04

年々増加しているふるさと納税の受け入れ額と受け入れ件数ですが、平成29年度はどうでしょうか?

 

平成30年7月に総務省にて発表された

「ふるさと納税に関する現況調査結果(平成29年度)」

のまとめを詳しく解説いたします。

 

総務省の通達により起こった変動

平成29年度のふるさと納税ランキングなど、総務省発表の現況調査結果を解説

平成29年度のふるさと納税受入額1位は、前年度8位だった大阪府泉佐野市の135億3,300万円です。

 

前年度1位だった宮崎県都城市は3位(74億7,400万円)でした。

 

上位10自治体の中で、前年度と比べ大幅ランクアップしたのは、佐賀県みやき町(4位:前年32位)や和歌山県湯浅町(6位:前年58位)、佐賀県唐津市(7位:前年22位)などです。

 

逆に前年度と比較して大きく順位を落としたのが、前年度2位だった長野県伊那市や山形県米沢市、熊本県熊本市であり、今年度はランキング外となっています。

 

家電や地場産品以外の返礼品見直しで大きく明暗がわかれる

平成29年4月、高還元率の返礼品や地場産品以外の返礼品、家電や宝飾品などの返礼品は自粛するよう総務省から通達が出されました。

 

これは
自治体間での過度な競争、ふるさと納税の趣旨からの逸脱といったことが問題視
されたためです。

 

前年度2位だった伊那市は家電の返礼品が人気で受入額も多かったのですが、この通達を受けて家電の贈呈を廃止しました。
その結果、29年度では20位以下に順位を下げています。

 

一方、現況調査結果に掲載された「返礼割合(=還元率)3割以上の返礼品及び地場産品以外の返礼品を送付している市区町村で、平成30年8月までに見直す意向がなく、受入額が10億円以上の市区町村」のリストを見ると、今回大幅ランクアップした泉佐野市みやき町唐津市などがあげられています。

 

今回のランキングの結果から、
返礼品の見直しを行った自治体が順位を下げ、そうではない自治体が順位を上げた
ことがわかります。

 

寄付金の半分以上が返礼品の調達、送付、公報などの経費に

「ふるさと納税の募集や受入等に伴う経費」によると、返礼品の調達にかかる費用が受入額に占める割合の38.5%で、その送付にかかる費用や広報や決済など必要経費も含めると55.5%もかかっています。

 

これはせっかく受け入れた寄付金の

半分以上がさまざまな経費でなくなっている

ということです。

 

これでは「寄付でふるさとが元気になってほしい」という、ふるさと納税の主旨が反映されているとは言えません。

今回の総務省の通達には、このような背景を是正するという意味があります。

 

寄付金の使い道が選べる自治体がほとんど

ふるさと納税をする際に選べる寄付金の使い道ですが、寄付者が選べる自治体は全体の94.5%で、前年の92.2%に比べると増えています。

 

しかし、分野を選択するだけにとどまる自治体が多く、具体的な事業まで選択できるのは、255団体(14.3%)でした。

 

ふるさと納税の活用状況を公表するケースも増加中

寄付したお金がどのように地域に役立っているのか、寄付者としては詳しく知りたいと思う方も多いのではないでしょうか。

 

受入額実績だけではなく、ふるさと納税で得た寄付金の活用状況を公表している団体も増えていますが、実績も活用状況も公表していない団体がまだ199団体(11.1%)あります。

 

来年度はもっと改善されているといいですね。

 

寄付者に対して事業の進捗状況や成果について報告している団体は、499団体(27.9%)と、前年度と比べると60団体ほど増えています。

 

自分の寄付がどういったことに使われてるのか、報告があると地域の活性化に貢献している実感が湧きやすくなるので、これからも増加を期待したいところですね。

 

返礼品のラインナップよりも事業の内容で勝負

毎年総務省が発表する現況調査結果ですが、これを見るとふるさと納税にはまだたくさんの課題が残されていることがわかります。

 

ですが、ふるさと納税全体では受入金額が前年度比約1.28倍の約3,653億円、受入件数は前年度比約1.36倍の約1,730万件と、開始した平成20年度以降、年々増加しています。

世間の注目度が高まってるからこその課題かもしれませんね。

 

最近は返礼品の中身で寄付先を選ぶだけではなく、地域活性の事業の内容をよく知り、応援するガバメントクラウドファンディング形式も増えてきています。

 

これからも良い形で進化してほしいものですね。

 

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