自治体の試みや寄付金の使い道から選択してみよう
ふるさと納税の寄付先を選ぶ時、返礼品の還元率ばかりに目が行ってしまうことはありませんか?
「自己負担額の2,000円を払って何かもらえるなら、できるだけ高価なもの、質の高いものがほしい」と思うのは当然でしょう。
しかし、本来ふるさと納税とは、居住地以外の自治体で行っている試みを理解し、寄付をすることでその自治体を経済的にサポートするシステムです。
ここでは、還元率の高さはひとまず置いておいて、思わず応援したくなるような魅力的な試みや、共感できる寄付金の使い道を掲げている自治体をご紹介したいと思います。
地震などの被災地へ〜義援金ではなくふるさと納税
東日本大震災や熊本地震など、大きな被害に見舞われた地域を応援したいという人は多いでしょう。各メディアが報道する被災地の状況に胸を痛め、「自分にもできることはないか?」と、その自治体が運営するアンテナショップへ出向き、特産品などを購入して間接的に応援しようとする光景はよく見かけます。
また、赤十字などの団体へ義援金を振り込む方法もあるでしょう。
ふるさと納税の場合だと、特に被害を受けた地域や、親戚・知人が住んでいる地域など、自分で自治体を選んで直接寄付することができます。名産品を購入したりボランティア団体などに義援金を送ったりするよりも、素早く被災地を支援できるところが嬉しいですね。
ふるさと納税なので、被災地への寄付であっても金額によっては返礼品をもらえますが、あえて受け取らないという選択もできます。その場合、辞退した分の金額も被災地への援助に充てられます(熊本県の場合)。
被災直後は現地が混乱していることもあり、他の自治体が代理で寄付受付をするケースもあるようです。
財政破綻から立ち直るために〜北海道夕張市の場合
十数年前に財政破綻をした北海道夕張市のケースです。
財政破綻の影響で学校が統合され、子どもたちが放課後に友だちと遊ぶことも難しくなりました。
そこで夕張市の自治体では、廃校舎を利用した複合施設を建てるなど、子どもたちが思い切り遊べる場所を作るために寄付金を活用しています。
また、炭鉱ガス事故の原因となった炭層メタンガスを新たにエネルギーとして活用するためのプロジェクトもあるそうです。今まで自分たちを苦しめてきたメタンガスを未来への希望に変えようという素晴らしい試みですね。
他にも、石炭を採掘した際の捨て石(ズリ)を積み上げたズリ山が市内にいくつも存在しているのですが、一部崩落したズリ山が河川をせき止め、災害を引き起こすこともありました。
しかし、その中の約3割に石炭が含まれていることがわかり、海外産の石炭とブレンドすることで、火力調整用の石炭として再利用できるようになりました。その事業の雇用創出のために寄付金を活用しています。
返礼品の夕張メロンも嬉しいですが、それを置いておいても、大きな困難から立ち直るために頑張っている自治体は応援したくなりますね。
指定した学校をピンポイントで応援〜横浜市の場合
ふるさと納税は寄付先を自ら選べて、使い道についてもある程度選択ができます。
横浜市では、特定の学校を指定して寄付することができます。寄付金はその学校の教育環境を充実させるために活用されるそうです。
横浜市へのふるさと納税に返礼品は用意されていませんが、母校や応援している学校をピンポイントでサポートできるので好評です。
個人による学校への寄付は高額なイメージもありますが、ふるさと納税なら5,000円くらいから寄付が可能で、税金の控除も行われます。気軽に寄付ができるのも嬉しいですね。
返礼品の還元率だけではなく、各自治体の試みや寄付金の使い道などから選ぶのも有意義なふるさと納税の仕方と言えるのではないでしょうか。