ふるさと納税は、基本的に、支払った金額から自己負担額の2,000円を引いた全額が控除されます。
しかし、全額が控除されず自己負担額が2,000円以上になるケースもあるので注意しましょう。
これを知らずにふるさと納税をすると、気づかないうちに自己負担額が増えて、せっかくのメリットが減少することもあります。
税金の控除には上限がある!
ふるさと納税の控除額には上限があり、それを超えた分は自己負担となってしまいます。
効率的に控除を受けるためには、いくらまで控除されるのか、その上限を知っておく必要があります。
控除の上限額は、収入や家族構成、他の控除の有無などによって大きく変わってきます。
総務省をはじめ、ふるさと納税関連サイトで上限額の目安を知ることが出来るシミュレーションが掲載されているので、確認してみると良いでしょう。
実際に調べてみた!控除上限額の目安はいくら?
ふるさと納税をして自己負担額が2,000円で済む寄付金額上限の目安は、以下のとおりです。
・独身、または共働き夫婦:42,000円
・夫婦、または共働き+子1人(高校生):33,000円
・共働き+子1人(大学生):29,000円
・夫婦+子1人(高校生):25,000円
・共働き+子2人(大学生と高校生):21,000円
・夫婦+子2人(大学生と高校生):12,000円
※ふるさと納税以外の控除がある場合や、自営業や年金受給者等は該当しません
※社会保険料の控除額は収入の15%と仮定しています
※中学生以下の子どもは控除に影響がないため、数に入れていません
※「共働き」とは配偶者控除がなく、配偶者の年収が141万円以上である場合を言います(控除内で働くパート主婦等は含まれません)
詳しくは総務省ふるさと納税ポータルサイトでご確認ください。
⇒総務省ふるさと納税ポータルサイト
注意!ふるさと納税がお得と言えなくなるのはこんなケース
ふるさと納税の自己負担金を最小額の2,000円に抑えるためには、次のようなケースに該当しないかどうかを確認しておくと良いでしょう
1. 住宅ローン控除のように控除額が大きく、既に所得税分の控除が全部還付されている場合
*控除額=3000万x1%(控除率)=30万円/年
*所得税は全額控除されて0円に。
*残りの5万円は、住民税の方で控除対象となります。(5万円がそのまま引かれるわけではありません)
上の図の通り、ふるさと納税による控除はあまり期待できません。
2. ふるさと納税で寄付金控除を受けることによって、所得税率が変わった場合
所得税率はいくつかランクに分かれています。
収入額がその境目近くの場合は、税控除によって所得税率が変わってしまい、結局自己負担額が増えてしまうケースもあるようです。
3. ふるさと納税による返礼品の合計額が50万円を超えた場合
返礼品(お礼の品)だけで50万円を超えることはあまりないでしょうが、他の一時所得(保険の払戻金など)との合計が50万円を超えた場合でも、50万円を超えた分については課税されてしまいます。
4. クレジットカードでふるさと納税をする際には名義人に注意
クレジットカードでふるさと納税をする場合、カードの名義には注意が必要です。
もし名義が配偶者控除を受けている人だと、ふるさと納税をしても控除の対象にはなりません(家族カードの場合は除く)。
クレジットカードでの寄付は、主な収入を得ている世帯主のカードでした方が良いでしょう。
5. 医療費控除を適用したい場合
これは特に注意が必要です。
医療費控除は、一般的にはその年にかかった医療費の中で10万円を超えた分の10%が所得税から還付されます。(収入などによっては計算方法が異なる場合があります)
例えば、その年の前半にふるさと納税をして、ワンストップ特例制度を利用しました。
しかし、その後病気やケガなどで医療費がかかってしまい、医療費控除を受けることになったとします。
ここで注意が必要なのは、ふるさと納税の税控除と医療費控除は併用できますが、医療費控除を受けるには確定申告が必要という点です。
その際、既にワンストップ特例制度で申告した分のふるさと納税も併せて確定申告する必要があります。
「ワンストップ特例制度で申告してあるから、その分の確定申告はしなくてもいいだろう」と思いがちですが、医療費控除の確定申告をした時点で、ワンストップ特例制度を利用した分の申告は無効になります。
これを忘れてしまうと、せっかく払ったふるさと納税の控除分が受けられなくなるので注意しましょう。
また、この場合、ふるさと納税の控除上限額にも多少(約2〜4.5%のマイナス)影響があるようなので、そちらも頭に入れておく必要がありそうですね。