岐阜県美濃加茂市で行われる「おん祭MINOKAMO2017（おんさいみのかも）」は市民が作り上げる『手作り』のお祭り。夏と秋に開催され、多くの人で賑わいます。今回は、「おん祭MINOKAMO2017」の内容や見どころなどをご紹介します。
どんなお祭り？「おん祭MINOKAMO」
夏の陣（おん祭HP）
岐阜県美濃加茂市で行われるお祭り「おん祭MINOKAMO2017」は、花火大会を中心に8月に行われる「おん祭MINOKAMO2017夏の陣」と、10月にお姫様をはじめとした行列が中山道太田宿を練り歩く「おん祭MINOKAMO2017秋の陣」からなります。
お祭りの名称にもなっている「おんさい」とは、美濃加茂市で使われる方言で、いらっしゃい、来なさいという意味。おいでなさい、が訛った美濃弁ともいわれ、「美濃加茂へおんさい」「またおんさい」などと使用します。
1994年にスタートした、20年以上の歴史があるお祭りです。
このお祭りは、行政ではなく市民が主体となり『手作り』で作り上げているのが興味深いところ。それゆえの親しみやすさや親近感を感じる楽しい内容となっています。
年を追うごとにお祭りの内容も充実し、今では美濃加茂市を代表するイベントとなりました。毎年多くの人が訪れています。
木曽川を彩る迫力満点の花火！「夏の陣」
花火の様子（おん祭HP）
「おん祭MINOKAMO2017 夏の陣」では、歴史ある宿場町太田宿にほど近い木曽川緑地ライン公園を舞台に、約3500発の花火が打ち上げられます。和太鼓演奏にあわせて、手筒花火や打ち上げ花火、スターマインなどの花火が夏の夜空を彩ります。花火大会の最後にはスターマインの連続打ち上げが！他では見られない迫力満点のフィナーレは圧巻です。
打ち上げ花火が終了する20時30分からは、盆踊り大会が行われます。毎年、河原を埋め尽くす程の多くの人で賑わう人気の盆踊り。荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」は美濃加茂市の盆踊りでは人気のスタンダードナンバー。かなりの盛り上がりを見せることで知られています。
『手作り』で大切に作り上げられている「おんMINOKAMO2017」には、それゆえの素敵なエピソードも。「夏の陣」の目玉となるのは花火大会ですが、見どころはそれだけではありません。「夏の陣」で出演する「牧野太鼓」と「大蛇隊」にまつわる素敵なエピソードをご紹介します。きっと、「夏の陣」をより楽しめるはずですよ。
「夏の陣」当日、太鼓の演奏を披露する「牧野太鼓」。「牧野太鼓」は、1991年に美濃加茂市の牧野地区で誕生しました。牧野太鼓保存会結成のきっかけは、「地元の盆踊り大会を盛り上げたい」という思いから。しかし、最初は練習する太鼓もなければ、メンバーのほとんどがバチを握るのも初めてという初心者でした。
盆踊りの曲を流しながら、古タイヤや醤油・味噌の樽をたたいて練習をしていたといいます。その後、試行錯誤を繰り返しながら、見よう見まねで太鼓作りも始めます。
みんなの熱意が実り、今は岐阜や名古屋での公演だけでなく、姉妹都市であるオーストラリアのダボ市でのイベントに参加するなど、活動の場を広げるまでになりました。
現在はメンバーも増え、参加者は年齢も国籍もさまざまです。世代や国境を越え、人と人とのつながりを大切に活動を続けています。
昔から伝わる祭りばやしや牧野地区の歴史を、創作鼓曲として太鼓で今に伝えます。
美濃加茂市に古くから伝わる言い伝えに、美濃加茂市三和町の御殿山（ごてんざん）に「大蛇姫伝説」があります。美しいお姫様と大蛇が三和の高い山に降りて、里人の幸せを守ったのだそうです。里人はこの山を御伝山と名付け、いつまでもお姫様をたたえたのだとか。
この伝説をもとに、「大蛇の舞」を企画し、一般公募により「大蛇隊」が結成されました。
竹筒に火薬を詰め、人が手に持ちながら行う吹き上げ式の花火、手筒花火。御神火太鼓の演奏とともに、手筒花火が始まると、大蛇隊のお出ましです。太鼓の演奏と手筒花火にあわせ、披露される大蛇の舞は圧巻です。
埋もれかけていた伝説が祭りによって息を吹き返し、次世代にそのバトンを渡します。
おん祭MINOKAMO2017 夏の陣 概要
日時：2017年8月5日(土)
会場：木曽川緑地ライン公園
スケジュール：
17:30～17:35開会宣言
17:35～18:05牧野太鼓
18:05～18:20森山太鼓
18:20～18:25絆ボランティアPR
18:25～18:35来賓挨拶
御神火太鼓
18:35～19:45大蛇伝説
手筒花火
19:45～20:30打ち上げ花火開始
20:30～22:00盆踊り
22:00終了
豪華絢爛！あでやかな時代行列「秋の陣」
秋の陣（おん祭HP）
美濃加茂市を通る中山道は、江戸時代にお姫様たちがお嫁入りの際利用したため「姫街道」と呼ばれてきました。その様子を現代に再現したお祭りが「姫道中」です。14代将軍徳川家茂に嫁いだ皇女和宮を含むお姫様や武士、腰元、楽人（がくじん）などに扮して約100人以上が参加する時代行列です。行列は、公募で選ばれた市ゆかりのお姫様役の女性達をはじめ市民などで編成されています。皇女和宮を先頭に、風情ある中山道をゆっくりと練り歩きます。あでやかな衣装に身を包んだ絵巻物のように豪華絢爛な姫道中は、ため息の出る美しさで見る人を魅了します。太田宿の昔ながらの町並みで見る時代行列は、タイムスリップしたかと錯覚するような見事さですよ。
「おん祭MINOKAMO2017 秋の陣」は、姫道中をメインに、火縄銃の演舞、ステージイベント、楽市楽座、子ども達が体験して楽しめるイベントなど、大人から子どもまで、世代を超えて『手作り』のお祭りを丸一日楽しめます。
おん祭MINOKAMO2017 秋の陣 概要
日時：2017年10月15日(日)10:00〜16:00
会場：中山道太田宿界隈
姫道中：神明から下町までの約1.1km(14:00〜16:00)
火縄銃演舞：（神明、小松屋、本部、下町の４箇所）
●本部会場：もち投げ、ステージイベント、企業イベント等
●国重要文化財旧太田脇本陣林家住宅：特別開放
●中山道会館：企画展示・楽市楽座・各種体験教室・餅つき大会
●上本町会場：国登録有形文化財小松屋（お休み処、大正琴演奏）
● 祐泉寺境内：秋の味覚芋煮汁無料配布
●中町会場：ライブ等
●下町会場：ちびっこ広場（ゲームや各種体験教室）
岐阜県美濃加茂市で開催されるお祭り「おん祭MINOKAMO2017」をご紹介しました。市民の手で作られたお祭りは、人、歴史、伝説、美しい自然や伝統ある町並みなど、美濃加茂市が持つたくさんの宝物を輝かせています。世代を超えて楽しめる『手作り』のお祭り、ぜひ、お出かけください。「おん祭MINOKAMO2017」へおんさい！
おん祭美濃加茂実行委員会ホームページ
おん祭の詳しい情報は、公式ページをご覧下さい。
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