ふるさと納税を始めよう!
仕組みと手続き、自治体と返礼品を完全ガイド

返礼品の見直し要請によってふるさと納税の価値は下がるのか?

2017.06.26

地域の特産品などが寄付の返礼品として届く、ふるさと納税。全国の自治体がより多くの寄付を集めようと、非常にお得な返礼品を用意する「返礼品競争」はふるさと納税制度が開始された2008年から年々エスカレートし、ノートパソコンや電動自転車、ゴルフクラブなどの豪華な返礼品が話題となりました。

 

豪華な返礼品を揃えた自治体に寄付が集中する一方で、赤字になってしまう自治体も発生する事態となり、2017年4月、ついに総務省は「ふるさと納税の返礼品の価格を、寄付額の3割までに抑える」旨を全国の自治体に通知したのです。

 

この返礼品の見直し要請によって、ふるさと納税の価値は下がってしまうのでしょうか。

 

返礼品の内容だけでふるさと納税の価値は下がらない

ふるさと納税は、寄付した人が返礼品を受け取ることを目的とした制度ではありません。本来の目的は、地方自治体の税収アップ、さらにその税収によって地方を活性化することです。

 

返礼品の見直し要請がクローズアップされることで、今後は以下にあげるような「ふるさと納税の本来の目的」やその価値が再認識されることが期待されます。

 

全国各地に納税できることに変わりはない

ふるさと納税の本来の魅力は、就職などによって都会に住む人が、通常なら納税できない、今は住んでいない自分を育ててくれた「ふるさと」に納税ができることです。

 

そして、その結果として地方自治体の税収をアップさせることが目的です。

 

したがって、極端な話、返礼品が一切なくなったとしてもこの制度がある限りは「全国各地へ納税ができる」というメリットはなくならないのです。
例え返礼品が豪華でなくても「あの自治体を応援したい」という気持ちを忘れてはいけませんし、そのシステムを理解することが重要なのです。

 

災害支援として多額の寄付が可能

ふるさと納税には必ずしも返礼品がついてくるわけではありません。その代表的なものが災害支援寄付です。返礼品はありませんが、控除の限度額内であれば、仮に20,000円を寄付したとしても自己負担額は2000円に抑えられるため、実際に出すお金の10倍に及ぶ額が寄付できるのです。

 

さらに、自治体単位でピンポイントに寄付ができますので、自分の寄付が何に使われるのか、一般的な寄付よりも明確に知ることができます。

 

自治体の活性化はつづく

全国には「返礼品競争」により税収が減ってしまった自治体があることも事実です。しかしながら、ふるさと納税制度によって利益を得た自治体があることは紛れもない事実であり、この制度がなければ地方自治体の税収は減少の一途をたどっていたことでしょう。

 

また、現在はインターネットのポータルサイトからふるさと納税を利用する人が多いため、例え寄付をするきっかけが返礼品であったとしても、今まで注目されることのなかった小さな自治体にも工夫次第で税収アップのチャンスが生まれるのです。

 

返礼品の見直し要請によって、今後は少ない予算でも寄付をした人が「応援したいな」「寄付をしてよかった」と思えるような「アイデアに溢れた返礼品競争」が始まることが期待されます。

 

寄付金の使いみちに注目する段階へ

寄付金の使い道

一時期は返礼品ばかりが注目されていたふるさと納税ですが、前述した通り返礼品の見直し要請や、一部自治体の税収減少などの問題も取り沙汰されるようになり、新たな段階へと突入しています。

 

ふるさと納税による寄付金が自治体主導の事業推進や、熊本地震をはじめとする被災地への災害支援などに利用されていることからも、これからは寄付金の使いみちが注目されると予想されます。

 

例えば、被災した自治体を応援する形でふるさと納税を利用して寄付をし、その後寄付をした自治体が復興し元気になった時に、「寄付で元気になった町を見に行ってみよう」と実際に足を運んでみる、そんな流れが生まれるとふるさと納税は長く愛され続ける制度になるのではないでしょうか。

 

ふるさと納税制度は返礼品を除いたとしても、寄付する側、される側にとって大変価値のある制度です。見直し要請をきっかけに、返礼品以外のメリットが再認識されれば、ふるさと納税制度はより価値のある制度に発展していくことでしょう。

 

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