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図書館のない町に再び移動図書館を!ふるさと納税でサービス再開

2018.06.30

最近は端末1つでさまざまな本や雑誌が読める電子書籍が人気ですが、ページをめくって読む良さはなくしたくない、と考えている人も多いでしょう。

 

特に子どもには、紙の本の良さを知っていてほしいものです。

 

たくさんの本を読むのに便利なのが図書館ですが、自治体によっては図書館がないところも……。

 

今回ご紹介する自治体には図書館がありません。

 

車に図書を搭載して町内を巡る移動図書館車も、老朽化のため廃車になってしまいました。

 

移動図書館車の復活を望む町民の声は多く、その費用をふるさと納税で募ったところ地域住民の協力もあって資金が集まり、
図書館車のサービスを再開することが決定しました。

 

詳しく解説いたします。

 

ふるさと納税で資金を募るとともに募金もよびかけ

移動図書館車の復活を望む声とそれに応える石井町

徳島県石井町には図書館がなく、他市から譲り受けた移動図書館車「ふじっこ号」が町内を巡回し、読み聞かせなどで幼稚園や保育園の子どもたちにとって楽しみの1つとなっていました。

 

しかし、老朽化した車輌が平成28年8月に廃車となると同時に、移動図書館サービスも終了してしまいます。

 

廃止後もボランティア団体が個人所有の車などで読み聞かせを行なっていましたが、移動図書館車の復活を望む声は多く、
石井町は新車購入や図書購入のための資金をふるさと納税で募ることに決めます。

 

ふるさと納税の寄付金の使い道の1つとして選べるようにするとともに、町内の公民館や町外のイベントなどで募金箱を設置し、協力を呼びかけました。

 

総務省ポータルサイトでもふるさと納税活用好事例として紹介

総務省のふるさと納税ポータルサイトでは、平成30年3月末から全国自治体のふるさと納税活用事例集をいくつか紹介しています。

 

石井町のケースも活用の好事例の1つとして紹介されており、そこでは石井町が今回のケースで工夫した点を次のように挙げています。

 

  • 支援を呼びかけるパンフレットを作成。
    使い道をわかりやすくストーリー性を持たせることで、寄付者の共感を得られるようにした。
  • パンフレットを町内や近隣自治体の様々な施設に配布。
  • さまざまなふるさと納税ポータルサイトにこの取組を掲載。

 

このように、少しでも多くの人にこの取り組みを知ってもらえるように努力した結果、各種報道機関でも取り上げられ、
短期間で目標金額を達成することができました

 

ふるさと納税では約1,100万円
町内からは約600万円の寄付が集まり、その中には以前公民館の図書室をよく利用していた女性が入院中、「子どもたちのために」と寄付をした100万円も含まれていたそうです。

 

平成31年春にはサービス再開予定

idotoshokan

石井町では集まった寄付金を活用し、
以前の2倍となる3,000冊が搭載できる3.5トンの車
の購入を予定しています。

 

近隣自治体の移動図書館車の視察なども行い、車イスの人でも利用できるようにリフトを設置するなどのアイデアも上がっています。

 

予定では、平成30年5月に指名競争入札が行われた後、6月の議会で議決後発注されます。

 

平成31年3月頃には試運転で町内の幼稚園や保育所などを巡回する予定です。

 

 

移動図書館車の名称は公募され、車のデザインは若い世代のアイデアをとりいれたいと考えている石井町。

今後はふるさと納税の使い道に、図書室や新車両に搭載する蔵書を増やす項目を追加することになりました。

 

たくさんの人の応援したい気持ちが集まって実現した移動図書館車ですから、先代と同様、きっと町民のみなさんに愛されることでしょう。

 

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