ふるさと納税を始めよう!
仕組みと手続き、自治体と返礼品を完全ガイド

ふるさと納税すると株主に!寄付者とのつながりを強くした自治体のアイデアを解説

2018.08.25

ふるさと納税のメリットは寄付をして返礼品の特産品を受け取ったり、税金の控除が受けられるだけではありません。
寄付を通じて故郷や応援したいと思う地域とつながることもできます。
最近はその地域を訪れ、さまざまな体験をする返礼品も増えていますが、少し変わった取り組みで注目を集めている自治体もあります。

 

今回は、ふるさと納税を株主制度にすることで、寄付者とのつながりを強くしている自治体をご紹介します。

 

3つの道がない事をアピールポイントに

北海道東川町は大雪山国立公園の一部を含み、自然豊かな地域です。
地下水も豊富で、各家庭は地下水を汲み上げて使っているため上水道はがなく、また国道や鉄道と合わせると3つの道がありません。

 

交通の面などで不便なこともありますが、東川町は逆に魅力として考えることに。

 

「写真写りのいいまち」を目指して

豊富な自然を生かし「写真写りのいいまち」「写真の町」を目指している東川町は、さまざまな町の活性化プロジェクトを立ち上げ、ふるさと納税の使い道として選べるようにしました。

 

ここまでは他の自治体でも行っていることですが、東川町は2008年のふるさと納税が始まってすぐの頃から「写真の町」ひがしかわ株主制度を導入しました。

 

インターネットでの受付が開始された2015年頃からは株主が年々増加中で、2017年度には23,000人以上に。

 

投資(寄付)対象となっているプロジェクト(=寄付金の使い道)は次の4つです。

  • ・写真の町プロジェクト(写真甲子園の開催・写真アーカイブスの整備など)
  • ・ECOプロジェクト(水と環境を守る森作り・植樹など)
  • ・イイコトプロジェクト(自然散策路の整備・ひがしかわワイン生産など)
  • ・こどもプロジェクト(クロスカントリーのオリンピック選手育成事業など)

 

写真の町プロジェクトの写真甲子園は、全国の高校から地区予選を勝ち抜いた写真部員3人1組が東川町内の選手村に滞在し、地元サポーターと交流を重ねながら町や人物の写真を撮り競う、20年以上続いているイベントです。
夏には新人写真家登竜門として開催されている国際写真フェスティバルも開催されています。

 

ECOプロジェクトでは、毎年水と森作りの大切さを学ぶ植樹体験が行われています。
1株につき1本の木が植樹され、荒れ地を「株主の森」として株主(寄付者)が自分の手で寄付した分の木を植樹したり、特産物を使った町民の手料理が振る舞われるなど、人気のイベントになっています。

 

この4つから投資事業として寄付者に好きなものを選んでもらい、投資(寄付)すると株主証や株主優待(返礼品)が受け取れます。
もちろんふるさと納税で受けられる税金の控除も可能です。

 

プロジェクトが何らかの事情により中止された場合は株主に通知され、それまで受け付けた投資は他の事業へ振替が行われます。

 

株主証は町内でためて使えるポイントカードに

寄付した「株主」には株主証が贈呈されます。
町内100店舗以上でためて使えるポイントカードになるタイプもありますよ。

 

町外在住の株主には「特別町民」として認定され、公共施設を町民価格で利用できたり、指定の施設に6泊まで無料で宿泊できるなどの特典があります。

 

株主優待(返礼品)以外に配当も

ひがしかわ株主制度の株主優待は、通常のふるさと納税の返礼品に当たり、投資(寄付)した金額ごとに決まっています。
一度に10株以上投資すると、優待とは別に特産品のセットなども贈呈されるんです。

 

更に投資した金額や回数に応じ、東川町にとって記念の年などに配当が受け取れる企画なども実施されています。

 

通常の株主制度と違う点は?

ひがしかわ株主制度は、1口の投資(寄付)が1,000円以上で、1株=1,000円として管理されています。

 

株主制度をとっていますが、ふるさと納税ですから通常の株のように譲渡・売買や換金はできません。
また18歳未満は投資ができす、応援町民として登録されます。

 

投資方法は一般的なふるさと納税と同じで、各ふるさと納税ポータルサイトなどで申し込めます。
税金の控除を受けるには確定申告(寄附金控除)かワンストップ特例制度の利用が必要。

自分の寄付が社会貢献していると実感できるイベントや事業があっても、遠方だとなかなか訪れることができないものですが、指定の施設を利用すれば宿泊が無料というのは嬉しいですね。

 

東川町はふるさと納税を株主制度とすることで、ふるさと納税の仕組みを分かりやすくしながら、寄付者と長期的につながりを持つことに成功した例と言えます。

 

この記事をシェアする

この記事に関連したタグ

関連記事

同じカテゴリの人気記事

最近の記事

新着記事一覧を見る

AREAエリア

CATEGORYカテゴリー

TAG気になるタグ

RANKING人気の記事