山形県河北町は江戸時代に紅花の生産で大きく発展を遂げました。
紅花売りの商人がお土産として持って帰ったひな人形は町の名物となり、河北町は雛の町としても知られています。
今回は、紅花のおかげで発展を遂げた山形県河北町の魅力、人気返礼品、寄付金の使い道を紹介しましょう。
紅花で発展を遂げた河北町
河北橋
河北町は山形県のほぼ中央に位置する町です。
町内からは万年雪を抱く美しい月山や圧巻の朝日丘が見れるほか、山形県最大の最上川と寒河江川に囲まれているなど、とにかく自然の眺めが美しい町なのです。
通年で寒そうなイメージを持たれる方は多いでしょうが、河北町は盆地なので夏は暑いです。
しかし、冬になると雪国らしく約1メートルの雪が積もります。
四季を十分に楽しめる町でもあるんですよ。
河北町の紅花
町の花は紅花。
紅花の原産地は不明ですが、エジプトからシルクロードを通って6世紀ごろに日本に持ち込まれたと言われています。
色合いが非常に美しいため、着色料の材料として使用されてきました。
では、なぜ紅花が町花なのでしょうか?
実は江戸時代の山形県は、日本有数の紅花生産地だったのです。
最も多い時期には、全国50~60%の紅花が山形県産でした。
冬の最上川
山形県で紅花の生産が盛んに行われた理由は、その寒暖差の激しい気候にあります。
また山形県の土壌も紅花に適していました。
しかし他の地域でも生産が行われていたことを考慮すると、環境だけが山形県を国内最大の生産地にしたわけでもありません。
環境面のほかに商売のしやすさも要因だったようです。
最上川の舟運によって、京都や大阪の商人と結びついたのです。
商人たちが紅花を京都へ持っていき、帰路に就く際に日用品を持ち帰って各地で商売をしました。
京でも商売でき、帰り道でも商売したので、紅花商人たちが山形県の発展に大きく貢献したのです。
■河北町にある全国唯一のベニバナの資料館
堀米四朗兵衛という富豪の屋敷跡を使い、昭和59年に全国唯一の「紅花資料館」が開館しました。
堀米家は文政元年から明治期まで名主を務めた名門の家柄。
米や紅花などの出荷で財を築き上げ、屋敷には当時の生活用品や武器が保管されていたそうです。
資料館では実際に行われた紅花栽培の様子や取引について詳しく知ることができます。
歴史について学べるのはもちろん、紅花染めの体験や紅花にまつわる名産品の販売もされています。
ひな人形のまち
また商人が京から持ち帰ったひな人形は、現在でも河北町に残っており、河北町はひな人形の町としても知られています。
紅花が現在の山形県の発展に貢献し、文化も作り上げました。
■谷地ひなまつり
ひな市の様子(河北町HP)
ひなまつりと言えば3月3日の桃の節句が一般的ですよね。
しかし河北町の谷地ひなまつりは4月2日と3日に開催されます。
谷地では約500年も前から毎月市場が開かれており、谷地城の城主・白鳥長久が旧暦の雛の節句に市を開いた事をきっかけに「節句市」「おひな市」と呼ばれるようになったそうです。
谷地ひなまつりではひな供養の神事の他に出店が並び、毎年多くの観光客を集めています。
大人の好きな食品が人気返礼品に
実は河北町はグルメの町として知られています。
ぜひ町を訪れて、河北町の観光スポットに足を運び、グルメでお腹をいっぱいにして頂きたいところ。
しかし仕事や距離などの関係で訪れるのが難しい人もいるでしょう。
そんな方はふるさと納税の返礼品で、河北町の特産品を手にするといいかもしれません。
ここからは人気の返礼品2選を紹介します。
冷たい肉そば
肉そば
一般的に肉そばと言えば、カツオだしや昆布だしをベースにした温かいつゆに牛肉をのせたものです。
しかし、河北町の肉そばは異なります。
ダシは鶏肉からとっているので甘しょっぱく、鶏肉のチャーシューと刻んだネギをのせています。
そばはコシが強く、まさに大人の大好きな味。
そしてつゆは冷たく冷えています。
町民のソウルフードである冷たい肉そばは口コミで話題を呼び、県外から多くの方が冷たい肉そばを食べに河北町に訪れます。
食べに行きたいご当地グルメランキング第3位に輝いたこともある肉そばが、返礼品で出品されているのです。
冷たい肉そばは食事で食べても良ければ、お酒のしめに食べるのも最高です。
かほく冷たい肉そば (寄附金額:10,000円)
親鳥のダシが効いたコクのある冷たいスープとコシの強い田舎そばが特徴。
冷凍麺5人分
地酒
河北町は美味しい米作りを行うことでも有名です。
米作りで大切なのは水。
河北町に流れる寒河江川には雪解け水が流れ込み、その水が美味しいお米を作るのです。
優れたお米と豊かな水が流れる河北町は、日本酒作りにもピッタリ。
河北町で作られる地酒は米の甘みと旨みを感じられ、口に含んだ瞬間、心地よい香りが鼻腔をも刺激するでしょう。
しっかりとした味や香りがあるのに、後味はスッキリとしています。
どんな料理とも合いますが、ここは是非冷たい肉そばと合わせてみてはいかがでしょうか。
純米吟醸 無濾過原酒 河北町の亀の尾 (寄附金額:10,000円)
地元酒蔵が醸した河北町を味わえる日本酒。
720ml×2本
寄付金が作る子どもの未来
河北町に集ったふるさと納税の寄付金は、「放課後児童クラブ事業」など、主に子ども達の為に使われているようです。
日中保護者がいない家庭にとって、安心して過ごせる遊びと生活の場は欠かせません。
子育て施策の中でも、こういった事業を推進している自治体は珍しいのではないでしょうか。
寄付金はどんな環境の児童でも利用できるようにと、放課後児童クラブ費用の補助に使われているそうです。
山形県河北町は豊かな自然と紅花がもたらした文化を受け継いでいます。
昔ながらの風景が残っている町の雰囲気を味わうためにも、ぜひ一度訪れてみてください。
オススメは今回紹介した観光スポットを巡り、冷たい肉そばを食べて、地酒や紅花のお土産を買うこと。
足を運ぶのが難しい方は、寄付をして返礼品を楽しむといいですね。