上士幌(かみしほろ)町は自治体の面積のうち70%以上が山岳地帯という雄大な自然に囲まれた自治体です。山々が赤く色づく10月になると、糠平湖(ぬかびらこ)は紅葉を映して真っ赤になります。そんな美しい景観を楽しめる上士幌町の「ぬかびら源泉郷」をご紹介します。こちらは2019年に100周年というアニバーサリーを迎える観光地なのです!
紅葉の美しい自治体!「上士幌町」とは?
ぬかびら源泉郷(上士幌町観光協会HP)
「ぬかびら源泉郷」はレトロと自然が交錯する温泉街です。まずは、そんな温泉街のある上士幌町について簡単にお話しさせていただきましょう。
紅葉が美しいと評判の「上士幌町」は、北海道の十勝総合振興局内にある自治体です。総合振興局というのは、北海道の行政区画のひとつです。十勝総合振興局は、帯広市や足寄町など20の市町村を統括しています。位置的には北海道の中央よりの下側と言えばわかりやすいでしょうか。地名は「シュー・オル・ぺス(鍋を漬ける川)」というアイヌ語が由来であると言われています。昔々、この地域に隠れ潜んでいた盗賊が近隣住民に発見された際に、鍋を水に漬けたまま逃げ出したという逸話からこんな地名がついたのだとか。アイヌ語地名研究家である故・山田秀三(ひでぞう)氏の著書に記載が見られます。
また、異説では、「シ・ホルカ・ベツ(後戻りする川の本流)」が語源ではないかと言われています。こちらはアイヌ研究文化研究家である故・更科源蔵氏の説です。本流である川の数多い枝流が本流の川とは逆方向に流れていたことから地名がつけられたのではないかとも言われています。
上士幌町は人口5,000人あまりの自治体で、雄大な山や川、湖を擁しています。上士幌町にある山岳はほとんどが1,500メートルを超えるもので、石狩岳、ウペペサンケ山、西クマネシリ山、ユニ石狩岳と、数が非常に多いことが特徴です。中でもニペソツ山が2,000メートルを超える山として、上士幌町に数ある山岳の中でも高めとなっています。10月頃の紅葉のシーズンになるとこうした山々が色を変え、それは見事な景観となります。
上士幌町には山岳だけでなく潤沢な水をたたえる湖と川も存在しています。湖と川が山岳とセットで存在しているのは、景観に優れた自治体においては珍しいことではないと思うかもしれません。確かにその通りです。ただ、ここで上士幌町の人口を思い出してください。上士幌町は決して人口の多い自治体ではありません。人口に対して自治体の面積は約690km²もあります。人口密度は7.12人/km²となります。東京都新宿区の面積は18.22km²で、人口密度は18,840人/km²となります。新宿区と上士幌町を比較すれば、上士幌町の広さに驚いてしまうのではないでしょうか。
人口が少なく面積が広い自治体の場合、それだけ人間の住居も少なくなります。残りの面積はそれこそ雄大な自然です。自治体規模としては決して大きな自治体ではありません。しかし、人口の少ない自治体でありながら、町の中にいくつもの山岳、そして川と湖がある。町一つに北海道をそのまま詰め込んだような美しい景観がぎゅっと詰まっている。上士幌町はそんな自治体なのです。
中でも秋の景観が美しいと称えられているのが、2019年に温泉発見100周年を迎える「ぬかびら源泉郷」です。
ぬかびら源泉郷と紅葉祭
ぬかびら源泉郷の紅葉(上士幌町観光協会HP)
「ぬかびら源泉郷」は大正になってから糠平湖のそばで温泉が見つかった温泉を中心に広がった温泉街であり、観光地です。
糠平湖のほとりにはキャンプ場があり、夏にはキャンプのための家族連れや友人同士で賑わいます。ニジマスやワカサギが放流されているため、冬場は釣客でも賑わう場所です。湖の周りには原生林が生い茂り、青空と山岳が周囲をぐるりと取り囲む美しい場所です。また、温泉郷では景観に癒されながらゆったりと湯治を楽しむことができます。様々なレジャーを体験できるため、観光地として人気があります。
ぬかびら源泉郷では秋特有の景観を楽しむ祭も開催されていました。
紅葉のシーズンになると、糠平湖(ぬかびらこ)の湖面は北海道の秋のつんと冷たい空気の中で遊ぶ子供の頬みたいに赤く色づきます。山岳や原生林の紅葉が湖面に映り込むのです。そんな糠平湖近隣の温泉街で温泉や地元のグルメなどを楽しむ祭が「ぬかびら紅葉祭」というわけです。
100周年記念イベントも?ぬかびら温泉郷
ぬかびら源泉郷の紅葉(上士幌町観光協会HP)
自治体によるPRと実際に足を運んだ方の「見事な紅葉だった!」という口コミで、どんどん知名度を上げていたこの祭では、鹿などのジビエ料理や地元のブランド牛肉を使った料理を楽しむことができました。また、見事な景観の中で野点なども行われ、食と文化、秋特有の色彩、温泉での癒しを同時に楽しむことのできるお祭りとして人気を集めていたのです。
近隣ではお祭りに合わせて催し物が開かれていました。源泉郷という名前を頂いた地域は秋になると、祭の活気と美しい色合い、雄大な景観、そして観光客であふれていたのです。
しかし、現在この「ぬかびら紅葉祭」は開催されていません。ぬかびら源泉郷が2019年で100周年を迎えるため、準備が行われているからです。
ぬかびら源泉郷 三国峠の紅葉(上士幌町観光協会HP)
ぬかびら源泉郷は2019年4月10日で温泉の発見から満100年となります。現在は祭を行わず、特設サイトの開設をしたり、周辺の環境を整えたりしています。
紅葉祭がないのは残念ですが、来たる100周年に向けて数々の催しが企画されています。100周年を祝う盛大なイベントになることでしょう。100周年イベントに合わせて足を運ぶのも楽しそうですね。
自治体の70パーセント以上が山岳という豊かな自然を擁する自治体「上士幌町」と、上士幌町の景観美と観光がセットで楽しめる「ぬかびら源泉郷」についてご紹介しました。現在、紅葉祭は行われていませんが、100周年に合わせて各種のイベント計画が進行中です。イベントの続報も含め、今後も注目したいものです。
上士幌町はふるさと納税でも人気のある寄付先です。返礼品は入れ替わりもありますが、源泉郷の優待クーポン券やブランド和牛肉も並びます。計画を立てて上士幌町に足を運んで、「食べた料理が美味しかった」「景観が美しかった」と感じたなら、応援する意味で寄付を検討するのもいいのではないでしょうか。もちろん優待クーポン券を申し込んで、今から旅行の計画を立てるのも素敵なことですね。
ぬかびら源泉郷開湯100周年 期間限定サイト
糠平温泉が発見されて満100周年を迎える2019年4月10日までの期間限定サイト。詳しくはこちらをご覧下さい。