ふるさと納税を始めよう!
仕組みと手続き、自治体と返礼品を完全ガイド

廃線危機のローカル線存続にふるさと納税が貢献している3つのケース

2018.09.08

住民数の減少などにより利用客が減ったことで、廃線の危機に瀕しているローカル線が全国に多数あります。
しかし、経営が厳しいからと言って廃線になれば、自家用車のない人や高齢者・子どもなどは移動手段がなくなってしまいます。
各路線ではさまざまなPRをすることで、乗客増加と線区の維持存続を図っていますが、そこにふるさと納税が活用されるケースも増えているのです。

 

今回は、「廃線危機に瀕しているローカル線の存続」にふるさと納税が貢献しているケースを3つご紹介します。

 

花咲線の魅力を伝える!官民連携で路線存続を目指す(北海道根室市)

JR根室本線花咲線は、根室駅から釧路駅を結ぶ日本最東端の路線です。

 

花咲線は、住民や観光客、物流を支えているだけではありません。
北方領土隣接地域と北海道内都市部を結ぶ唯一の路線として、国策上重要な存在でもあります。
しかし、輸送密度は1987年には1,006人だったのが、2016年には半数以下の449人にまで落ち込んでしまいました。
JR北海道からも、単独では維持困難な線区と通達されてしまいます。

 

そこで北海道根室市では、花咲線の魅力発信プロジェクトを始動させ、官民連携で乗車人数増加と線区維持・存続を目指しています。

 

2018年11月30日まではクラウドファンディング形式で寄付を募集中です。

 

おとぎ話のような景色や海鮮グルメをアピール!

花咲線の車窓から見える景色は、深い霧に包まれた原野・湿原が美しく「幻想的でおとぎ話の世界」と例えられるほどです。

 

また、沿線地区の特産品である花咲ガニや厚岸のカキ、高級アイスの主原料として人気がある浜中の牛乳など、魅惑のグルメをアピールポイントとして全国的に発信しています。
また、花咲線に乗って絶景を見て回るツアーや、乗車後に根室市内の観光名所を巡るバスツアーが開催される予定です。
根室市の返礼品には、チーズなどの乳製品に、イクラ醤油漬け、カニ・ホタテなどの海鮮グルメに加え、東京―釧路間の往復航空券や宿泊券などが選べます。

 

花咲線は2021年に全通100周年を迎えます。

 

地域の宝としてこれからも存続してほしいですね。

 

養老鉄道存続で生活の足と子どもたちの未来を守る(岐阜県池田町)

岐阜県揖斐川いびがわから池田町を通り三重県桑名市まで、全長57.5kmを結ぶ養老鉄道は、約100年前から住民の足として地域を支えています。
しかし、人口減少や利用客数の減少から、毎年約10億円もの赤字になっています。
その赤字は沿線の自治体が補てんしているため、大きな負担となっているのです。

 

しかし、養老鉄道は地元住民の生活に欠かすことのできない足。
とくに子どもたちは、養老線がなくなると近隣の高校に通えず、未来の選択肢を狭めてしまうことになります。

 

岐阜県池田町では養老鉄道存続のため、

  • ・補助金の交付
  • ・駅周辺のイルミネーション装飾の経費
  • ・駐車場無料化

 

などにふるさと納税を活用しています。

 

薬膳列車やサイクルトレインで観光客の人気を集める

養老鉄道では、平成21年から「美味しく食べて元気になる」というコンセプトで「薬膳列車」を運行。
車窓にうつる里山の風景を眺めながら、本格的な薬膳ランチと趣向を凝らした寸劇が楽しめます。
首都圏からもたくさんの利用客が訪れるなど、人気を集めています。

 

ほかにも、電車内に自転車を持ち込めるサイクルトレインなどを運行しており、自転車で沿線の名所旧跡を巡る旅行者にも好評です。

 

銚子鉄道を守って日本一のエンタメ鉄道に!(千葉県銚子市)

醤油の町、そして7年連続水揚げ量日本一の漁港として有名な千葉県銚子市。
そこを走る全長6.4kmの銚子電鉄は、長年慢性的な資金不足に悩まされています。

 

人口減少に加え、東日本大震災後の風評被害などで年々利用者数が減っていることが主な原因です。
赤字補てんのために発売した「ぬれ煎餅」が話題になりましたが、今では総収入の70%がぬれ煎餅による収入。
残る30%のうちの8割は観光客などの定期外収入です。

 

乗客数を増やすためにさまざまな試みをしてきた銚子鉄道

銚子電鉄はこれまでも乗客数増加のため、さまざまなアイデアを実行してきました。

 

車内をお化け屋敷にしてみたり、プロレス開催など、ほかにはないイベントを行うほか、駅名をネーミングライツ販売するなどしています。

 

駅周辺の住民がUFOをよく見かけることから、君ケ浜駅を「ロズウェル」と名付けたこともありました。

 

ふるさと納税で寄付金額1,000万円を目指す!

現実問題として運行している車両の走行装置や、ブレーキなど需要部分の車両検査費用だけでも多額の資金が必要です。
そこで、クラウドファンディング形式のふるさと納税でその費用を募ることになりました。
返礼品にはこのプロジェクト限定グッズ(非売品)であるマフラータオルと、有効期限なしの一日乗車券のセットが贈呈されます。

 

タオルには「絶対にあきらめない」という文字と、銚子電鉄の車両がプリントされています。

 

1,000万円を目標として寄付を募り、2018年8月31日受付終了しました。

 

官民連携で経営を改善し路線存続を目指す

今回ご紹介した3路線は、経営改善と乗車客増加のために官民連携でさまざまな試みを行っています。
ほかの交通機関が少ないローカル線が廃線してしまえば、子どもや高齢者などの「交通弱者」は大きな影響を受けることに。

 

こうした状況を改善するために、ふるさと納税を通した寄付が大いに役立ちます。人々の生活の足を守るため、また観光客を増やし地域の活性化につなげるため、ぜひふるさと納税で支援してみませんか?

 

この記事をシェアする

この記事に関連したタグ

関連記事

同じカテゴリの人気記事

最近の記事

新着記事一覧を見る

AREAエリア

CATEGORYカテゴリー

TAG気になるタグ

RANKING人気の記事