確定申告も終わり、あとは所得税の還付と6月頃に住民税控除額の確認だけ、と安心している人も多いのではないでしょうか。
しかし、ある日突然税務署から電話で修正申告や追徴課税について連絡を受けてびっくりした、というケースもあります。
ちゃんと申告したはずなのにどうして?と不思議に思われるでしょう。
そこで、今回は申告後に修正申告や追徴課税を求められるケースについてご紹介しましょう。
高価な返礼品は課税対象になる可能性がある
ふるさと納税をすると、寄付先の自治体からお礼に送られる返礼品。
納税であり寄付のお礼の品なのだから、プレゼントなのでは?と思われる方も多いでしょうが、実は所得になります。
ふるさと納税の返礼品は、税制上では一時所得(給料や手当以外に臨時に入った所得)に区分されます。
そのため、返礼品がいくらくらいのものなのか確定申告の一時所得欄に記載する必要があります。
申告漏れがあると、税務署から連絡があり修正申告や追徴課税を求められるので、注意が必要です。
一時所得には控除枠(合計50万円まで)がある
「返礼品をもらったら、その価値まで申告する必要があるの?」
と、面倒に思われるかもしれませんね。
せっかく返礼品が受け取れて、税金も控除されて得したはずなのに、これでは嬉しさも半減です。
しかし、一時所得にも控除枠があり、合計50万円までは課税対象にならないため申告する必要はありません。
今では規制の対象になる高価な返礼品(PCや電化製品など)など数万円価値の返礼品を何回も受け取っている方は、その価値が50万円を超えていないかチェックしてみてくださいね。
返礼品以外に一時所得となるもの
なかには、返礼品で受け取ったものは7万円程度の価値しかなかったのに、税務署から連絡がくるケースもあります。
返礼品以外にも、一時所得とみなされるケースは多くあります。
例えば、
- ・保険の満期返戻金・生存給付金・解約金などを受け取った
- ・航空会社のマイレージを使って航空券を発行した
- ・クレジットカードでためたポイントを還元率の高い商品券にした
- ・町内会の福引などで高額な電化製品や旅行券に当選した
- ・雑誌などの懸賞で高級品を当てた
- ・競馬や競艇、競輪などで大穴を当て、高額払戻金を受け取った
- ・ネットオークションで出品して、売却益があった
- ・勤務先からボーナス以外で受け取った金品がある
- ・住んでいたマンションの建て替えで立ち退き料を受け取った
など、さまざまです。
臨時収入で家計が楽になったと喜んでいても、ある日突然税務署から修正申告するように言われ、追徴課税を求められるケースもあります。
特に注意が必要なのは、生命保険の一時金や満期返戻金などです。
仮に掛け金500万円の生命保険の満期返戻金が利息込みで525万円戻ってきた場合、元金との差額である25万円が一時所得になります。
保険会社は保険金や返戻金を100万円以上支払った場合、支払調書を税務署に提出する義務があるため、税務署はしっかり把握しています。
ワンストップ特例を利用しても返礼品の価値は税務署に丸わかり
国民全ての個人のお金の出入りを1つ1つ税務署がチェックすることはできません。
しかし、バレないだろうから申告しなくていいや、というのは甘い考えのようです。
「近所の◯◯さん、ふるさと納税でだいぶ得したらしい」というちょっとした情報でも税務署員の耳に入ったことがきっかけで、調査の対象になることもあるそうです。
ふるさと納税の場合、確定申告ではなく、ワンストップ特例を利用して申告したケースでも納税額はマイナンバーで紐づけされているため、税務署は簡単にチェックが可能です。
保険の返礼品を受け取り、多額のふるさと納税をしていた場合、「返礼品は受け取っていない」「もう食べてしまったから価値はわかりません」という言い訳は通じないのです。
悪質な場合は、税務署側が追徴額を指定する「更正処分」になる可能性もあるので注意してくださいね。
一時所得が高額になった場合は申告を忘れずに
ふるさと納税の返礼品はお礼の品といっても、プレゼントではなく所得としてみなされます。
高価な返礼品を受け取ったり、他にも一時所得とみなされるものを受け取ったりした場合は、控除枠の50万円を超えていないかチェックしてみてくださいね。
50万円を超えてしまった場合は、しっかり申告をすることをおすすめします。