歴史と自然が共存するのが佐賀県白石町です。豊かな自然の町内では、甘い玉ねぎやお米がたくさん作られ全国に出荷されています。白石町には農産物のほかにも、訪れていただきたい観光スポットがたくさんあります。特に注目すべきが7万本のつつじが咲き乱れる歌垣公園と和泉式部生誕の地と言われる福泉禅寺。今回は佐賀県白石町の詳細と観光スポット、人気の3つの返礼品、そして寄付金の使い道を紹介します。
歴史と自然が共存する白石町
白石町のトマト(白石町HP)
佐賀県の南西部に位置する白石町は、東南部が有明海に面している小さな町です。町内には、終わりがないのではと錯覚するほど広がる白石平野、山、海、そして有明海に豊かな水を注ぐ川があります。つまり、白石町にはありとあらゆる自然がそろっています。そんな白石町の主要産業は、もちろん農業です。新ブランドのいちご、お米、そして甘くて美味しい玉ねぎなどで有名です。
白石町には家族と、恋人と、そして1人でも楽しめる観光スポットがたくさんあります。今回は厳選して、白石町に訪れたら絶対に行っておきたい観光スポットを2つ紹介します。
歌垣公園のツツジ(白石町HP)
まず1つ目が約7万本のツツジが咲き乱れる歌垣公園・犬山城展望所です。歌垣とはもともと、農耕儀式でしたが、次第に男女が歌に想いを託しあって読みあう求婚の場へと変化していきました。日本で歌垣が確認される場所は3つあります。茨城県の筑波山、大阪府・兵庫県の歌垣山、そして白石町の杵島山(きしまやま)です。全国に3つしかない歌垣が白石町にあるのは、すごいですよね。
肥前犬山城展望所(白石町HP)
杵島山を訪れるベストシーズンは、絶対に春です。春には白石町の町花である色鮮やかなツツジがなんと約7万本も咲きます。もちろん春以外のシーズンに訪れても楽しむことができます。戦国時代を生き抜いた武将平井経治(ひらいつねはる)をご存知ですか?平井経治は白石町と深い関係を築いた戦国武将。犬山城展望所からは彼の居城跡や杵島城、そして小島城跡を見ることができます。天気のいい日には雄大な有明海を一望することもできるのです。
福泉禅寺(白石町HP)
2つ目の観光スポットが、和歌の名手であり、『和泉式部日記』で知られる和泉式部生誕の地と呼ばれる福泉禅寺(ふくせんぜんじ)です。和泉式部といえば、『源氏物語』の作者である紫式部が認めるほどの和歌の名手でした。同時に数々の恋愛遍歴があるモテモテの女性でもありました。そんな和泉式部は福泉禅寺で誕生したとの伝説があります。伝説は以下の通りです。
”時は藤原氏が隆盛を極めた平安時代。福泉禅寺のお坊さんたちは赤ちゃんの泣き声で目を覚ましました。泣き声がするところへ向かうと、なんと白い鹿が人間の赤ちゃんにお乳を与えていたのです。そこへ大黒丸夫婦というお金持ちの夫婦がやってきました。なんでも、夫婦はときどき福泉禅寺にやってきては、お寺の薬師如来様に女の子を授かりますようにと願っていたというのです。すると昨夜、薬師如来様が枕元にやってきて、お寺の裏に女の子を授けて置いたと夫婦に伝えたそう。夫婦にもらわれた女の子は美しく、聡明に成長しました。そして、彼女は和泉式部として知られるようになるのです。”
和泉式部が故郷を思って読んだ歌が今でも残っています。その歌がこちら、「ふるさとに 帰る衣の 色朽ちて 錦の浦や 杵島なるらむ」杵島(きしま)とは、佐賀県杵島郡のことです。お気づきの方も多いと思いますが、白石町は杵島郡に含まれます。
福泉禅寺(白石町HP)
福泉禅寺には和泉式部生誕伝説のほかにも注目すべき物語があります。それが「幽霊の掛け軸」。「幽霊の掛け軸」という単語だけを見れば悪い印象を受けますよね。実際に京都の曼殊院にも「幽霊の掛け軸」があり、悪い象徴として知られています。曼殊院の「幽霊の掛け軸」には恐ろしい表情の女性が描かれており、写真撮影すると不幸が訪れると言われています。しかし、これから紹介する福泉禅寺の「幽霊の掛け軸」についての物語は悪くありません。むしろ、とてもいい話なのです。
時は江戸時代、福泉禅寺に住職東州という名の和尚がいました。「幽霊の掛け軸」は、和尚が現在の静岡県である駿河の国へと修行の旅に出ることから始まります。
ある夜、和尚が泊まった家に幽霊の掛け軸が飾ってありました。不思議に思った住職が幽霊の掛け軸を飾っている理由を主人に尋ねると、主人は次のように言いました。
「掛け軸は、継母に反抗して悪さばかりする子どものもとに、生みの母親の幽霊が現れて子どもを諭す様子を描いたものです。」
この話に和尚は大変感動しました。和尚は白石にいる同じような状況にある家庭にも、この話を教えてあげたいと思ったのです。そこで和尚は主人に頼んで掛け軸を譲ってもらうことにしました。和尚がもらった幽霊の掛け軸は、今でも福泉禅寺に大切に飾られています。
人気返礼品は地球2.7周分の玉ねぎ!?
農業が主要産業である白石町の人気返礼品は、やっぱり農産物。玉ねぎ出荷量のトップは北海道、第2位が佐賀県で、佐賀県出荷の玉ねぎの62%が白石産なのです。白石町が出荷する1年分の玉ねぎを横一列に並べると、なんと地球を2.7周することができます。とにかく出荷量が非常に多いのです。今回は玉ねぎを含む人気返礼品を3つ紹介します。ぜひ返礼品選びの参考にしてみてください。
1つ目は、前述の玉ねぎです。40年以上前から町で栽培が始まった玉ねぎは、白石町の代表特産物にまでなりました。白石産玉ねぎの特徴は柔らかくて甘みがあること。特に「スイートオニオン」や「春一番」などの品種は、果物のように甘いので生で食べることができます。生で食べておいしければ、調理して食べてもおいしい、そして和・洋・中に合う白石産の玉ねぎを一度ご賞味あれ。
白石産 たまねぎ(10kg)
白石たまねぎは柔らかく甘みがあると評判です。容量:10kg
2つ目は、佐賀県産の黒毛和牛です。一般的に「佐賀牛」と呼ばれる牛の特徴は、赤みの柔らかさと脂肪の香り高さにあります。佐賀のきれいな水とストレスがない環境、そしてたっぷりの愛情が注がれて育った佐賀牛は、絶品そのもの。どんなふうに調理しても、おいしくなることは間違いありません。
佐賀県白石町 黒毛和牛
ステーキ・ブロック・焼肉用など、いろいろな種類の黒毛和牛がそろっています。画像は、佐賀県産黒毛和牛(ロースステーキ250g×1枚)
3つ目は、お米です。どこまでも続く広大な白石平野ではお米作りが盛んにおこなわれています。平野で作られるお米の種類は「さがびより」「ひのひかり」「夢しずく」など様々。ミネラル豊富な土地で育った白石産のお米は、甘くて粘り強いのが特徴です。どんなおかずとも抜群の相性を見せますが、まず一口目はお米だけを食べてみてください。その深い味わいに驚くはずです。
佐賀県白石町の返礼品のお米一覧
さがびより・夢しずく・ひのひかりがあります。画像は、白石3種米セット(各10kg 計30kg)です。
寄付金で「道の駅しろいし」がオープン!
ふるさと納税で集まった寄付金は様々な用途に使用されますが、注目は「道の駅しろいし(仮称)」オープンでしょう。平成30年度末オープンを目指している「道の駅しろいし」は地域交流・情報発信の場になります。約89台の車を収容できる駐車場、24時間オープンの休憩スペース、農産物直売所などを設置する予定で、白石町の特産物アピールの場ともなります。
「道の駅しろいし」オープン以外にも、子育てや出産がしやすい環境作り、子どもたちへの教育投資、高齢者や障がい者が暮らしやすい町作りなどにも活用されています。
佐賀県白石町はふるさと納税を活用して、新たな白石町作りに取り組んでいます。小さな町ですが、白石産の玉ねぎやお米を口にしたことがある方は多いでしょう。白石町には今回紹介したほかにも、たくさんの観光スポットがあります。機会があれば、ぜひ一度訪れてみてください。直接行くのは難しいという方も、返礼品で白石町を感じることもできれば、発展に貢献することもできますよ。