桜の名所として有名な吉野町の「吉野山」。美しいだけでなく、桜にまつわる悲恋の残る地でもあります。源義経と静御前の伝説と共にふるさと納税を見てみましょう。吉野町のふるさと納税も、ほんのりと桜色をしているのです。
吉野の桜と悲しい恋の物語
吉野山 滝桜
吉野山の悲恋伝説
~吉野山 峰の白雪 ふみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき~
源頼朝(みなもとのよりとも)に捕らえられた静御前(しずかごぜん)が、恋人である源義経(みなもとのよしつね)を想って詠んだ和歌があります。奈良県吉野町の「吉野山」の情景と、静御前の恋人だった義経の姿がオーバーラップする、悲しくも美しい歌です。
「吉野山」は古くから桜の名所として知られています。何でも、平安時代から少しずつ桜が植えられ続けたのだとか。
修験道の神である「蔵王権現(ざおうごんげん)」に祈願する際は、吉野山に桜の苗を寄進するのが平安当時から続く習わしでした。たくさんの人の祈りの数だけ増えた吉野山の桜は、何と3万本もあると言われています。
お花見はもちろん、吉野町のシンボルとして、桜好きのみならず、歴史好きな方々にも絶大な知名度を誇っています。
吉野山は義経と静御前の悲恋伝説が残る地です。
兄である頼朝に追われた義経は、静御前と共に吉野山に身を隠しました。安堵したのも束の間、追手が迫り、義経は静御前と別れ東へと出立します。静御前は捕らえられ、頼朝の前に連れて行かれました。
冒頭の和歌は、頼朝の前で静御前が詠った和歌だと言われます。
今まさに殺されるかどうかという刹那に頼朝の敵である恋人の義経を詠う。
静御前の恋心の深さがにじみ出るような和歌です。吉野山は雪の深い山とも言われ、寒い冬を超えて桜色の季節が訪れます。
静御前は自分の想いの深さを吉野山の雪に例え、義経の苦境を、春を前にした吉野山の冬になぞらえたのかもしれないですね。歴史ロマンを感じさせる逸話です。
人形浄瑠璃 静御前
江戸時代に人気を博した人形浄瑠璃・歌舞伎の演目である『義経千本桜』の一場面が切り抜かれて上演される場合は、『吉野山』という演目名で呼ばれます。
いかに吉野山と義経伝説が縁深いかわかるようなエピソードではないでしょうか。
吉野山と豊臣秀吉
他にも吉野山にはたくさんの歴史的な逸話が残っています。
太閤(たいこう)・豊臣秀吉(とよとみひでよし)は吉野山の桜を愛し、花見に訪れたといいます。
その時のお供は何と5千人。太閤秀吉の花見跡地は「花見塚」として残っています。
天武天皇ゆかりの地
また、日本最大の内乱と言われる「壬申の乱(じんしんのらん)」の当事者である天武天皇(てんむてんのう)は吉野山に住んでいました。当時はまだ大海人皇子(おおあまのおうじ)という名前だった天武天皇は、「よきひとのよしとよくみて よしといひし よしのよくみよ よきひとよくみつ」という歌を残しています。万葉集に収録されるこの歌には、「立派な方は吉野の地を『よしの(良い地)』だと思って吉野と名付けた。立派な君たちもこの地をよく見ておきなさい」という意味があります。
吉野の桜の情景はとても美しいものです。桜色の向こう側に歴史が見えるからこそ、なおさら趣深く感じられ、多くの人に愛されているのではないでしょうか。
桜色の吉野町!ふるさと納税返礼品
吉野町のふるさと納税返礼品には、桜に関する品がたくさんあります。今回は吉野山の桜と伝説をご紹介しました。せっかくなので、返礼品も桜一色と参りましょう。
桜を閉じ込めた桜羊羹
萬松堂 桜羊羹(吉野山観光協会HP)
天皇陛下への献上品にもなった「桜羊羹」は、返礼品の中でも代表的な品の一つです。
桜を閉じ込めた羊羹は吉野山の春の情景そのもの。自宅での一服だけでなく、お茶会への手土産にも喜ばれます。
ふるさと納税では、こちらの桜羊羹と吉野町名物の本葛がセットになったものがあります。
桜ようかんと吉野本葛セット (寄附金額:10,000円)
桜ようかん3本・吉野本葛(粉末150g)1袋・吉野本葛(150g)1袋
吉野の伝統品 和紙
同じく桜色の返礼品と言えばこちら。
吉野は有名な手すき和紙の技術が残る地です。
1,300年以上の歴史が培った吉野の和紙は、四季の草木を思わせる柔らかな風合いです。中には吉野の桜を思わせる淡い桜色の和紙もあるようです。
伝統の和紙は和歌をつづった手紙にするか、工作に使うか悩みどころ。
使うのがもったいなくなってしまうことでしょう。
吉野四季物語 (寄附金額:10,000円)
手漉き和紙(32cm×145cm)4色×1
吉野の桜を満喫 ペアチケット
桜色の品だけでなく、桜そのものを楽しむことのできる返礼品もありますよ。
例えば吉野山の旅館に宿泊できるペアチケット。
利用条件や宿泊日程をよく確認し、義経や大海人皇子も愛した雄大な吉野山の自然をお楽しみください。
もっと気楽に利用できる、有名料亭のお食事チケットや温泉利用券もありますので、桜の季節の旅行には最適ですね。
『桜美荘たいら』ペア宿泊券+おみやげ (寄附金額:100,000円)
世界遺産吉野山の隠れ家的なお宿
1泊2食付き 2名様
美しい吉野の桜と伝説を守るために
吉野町への寄付は使い道を指定することができます。福祉事業や産業支援、そして桜の保全事業などを使途に指定することが可能です。
桜の保全事業を指定した場合は、桜の木だけでなく、吉野全体の自然環境保護を考えて寄付が使われます。
桜の木だけ守っても、周囲の環境がよくなければ意味がありません。光景そのものを守るということは、伝説を守ることにも繋がります。
未来の子供たちが吉野の桜を楽しむためにも、そして桜色の中に歴史ロマンに胸を熱くするためにも、大人である私たちが寄付を通じて守っていけたらいいですね。
吉野町の桜を見ると、義経と静御前の悲しい恋の物語を想像してしまいます。
二人の恋物語は冬が舞台でした。桜が咲くまで二人が敵の追手から逃れていたら、伝説は別の結末を辿っていたかもしれません。
ふと歴史のロマンに思いを馳せてしまいますね。
吉野町のふるさと納税も、ほんのり桜色の品がたくさんあります。
寄付は桜の保全事業にも使われますから、お金の行方もまさに桜色。義経伝説などの歴史的エピソードと共に、桜色のふるさと納税にも思いを馳せたいものです。