ふるさと納税の寄付額は、返礼品の内容によって大きく影響されているのが現状です。
そこで、姉妹都市や友好都市どうしで返礼品の相互提供を始めるケースが増えています。
例えば、海のある自治体の特産品である海産物と姉妹都市の特産品である肉や米などです。
また、特産品の知名度向上や、自治体どうしの交流を深めるなどのメリットもあります。
詳しく解説します。
近江八幡市の近江牛や近江米と松前町のウニや松前漬け
滋賀県近江八幡市の特産品には、近江牛や近江米があります。
北海道松前町には、ウニなど人気の海産物や松前漬けなど水産加工物の特産品があります。
2つの自治体は、1600年頃の北前船交易によって近江商人が松前藩と交易をしていた縁で、1984年から姉妹都市となっています。
近江八幡市は、松前町の海産物や水産加工物の知名度によって関東以北の地域で市の知名度が向上することを期待しています。
近江八幡の特産品である牛肉や米も、2018年4月から松前町の返礼品に加えられる予定です。
松前町側でも特産品のPRにつながることから、交流を強化したいと考えているそうです。
また、近江八幡市は松前町以外の姉妹都市にも相互提供の協定締結を呼びかけ、返礼品のさらなる充実と交流の強化に力を入れていく予定のようです。
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北前船交易による米や文化の交流から始まった
1600年頃の松前藩は米もとれなかったため、交易なしでは藩の財政も家臣の生活も成立不可能でした。
そこへ船でやってきた近江商人は団結して組織を作ることで松前藩と直接交渉し、商品の出入りを一部免税にさせるなど大きな力を持つようになりました。
近江商人によって京都の文化や、桜や椿などの樹木も松前藩に運ばれたそうです。
昔と同様、互いにないものを補い合って双方が発展していくというのは、良いものですね。
最上町の最上牛切り落としと大船渡市のいくら醤油漬け
山形県最上町と岩手県大船渡市は、東日本大震災の復興支援や特産品の販売イベントでの相互出展などで交流を深め、2016年から友好都市協定を結んでいます。
こちらのケースは相互提供するのは1品ずつ・10,000円以上の寄付を対象としています。
最上町からは最上牛切り落とし、大船渡市からはいくら醤油漬けが提供され、寄付の返礼品として選ばれる毎に両市町の担当者が直接業者に連絡して発送依頼をする仕組みになっているということです。
相互提供の流れは全国に
ここまで紹介してきたケースの他にも、返礼品の交流協定を結んだ自治体は増加傾向にあります。
栃木県那須塩原市と富山県滑川市も、明治時代の開拓で滑川市から入植者があった縁で平成8年に旧西那須野町と姉妹都市となり、那須塩原市と合併した後に改めて調印しました。
滑川市からはホタルイカの沖漬けと燻製のセットやホタルイカと白エビの昆布じめなどが、那須塩原市からは那須和牛ハンバーグやナチュラルチーズセットなどが提供されるそうです。
那須塩原市は同じく姉妹都市の埼玉県新座市とも相互提供に向けて準備中とのこと。
この他にも、福岡県八女市と静岡県吉田町、島根県益田市と大阪府高槻市、静岡県富士市と岩手県雫石町などたくさんの姉妹都市や友好都市どうしが返礼品の相互提供の協定を結んでいます。
それぞれの特産品を相互提供することで、返礼品の充実とともに両自治体の交流も深まり特産品の認知度もUPするなど、メリットがいっぱいですから今後もこうした動きが増えてくると予想されます。
そのうち自治体どうしが協力して新たな特産品などが誕生するかもしれませんね。