さまざまな疑似体験ができるVR(ヴァーチャル・リアリティ)。
アミューズメント施設などでも気軽に体験できるようになり、人気です。
VRを活用した地域創生プロジェクトを展開する自治体も登場しました。
今回はVRコンテンツを制作し、地域創生に役立てている2つの自治体について詳しく解説いたします。
宇宙空間を疑似体験できるVR制作費用をふるさと納税で
鹿児島県肝付町には国内に2ヶ所しかないロケット発射場の1つである「JAXA内之浦宇宙空間観測所」があります。
観測衛星「はやぶさ」やイプシロンロケットなどが打ち上げられた場所として知られています。
そこで肝付町は、宇宙に1番近い「宇宙の町」としてPRする地域創生プロジェクトを立ち上げました。
メインとなる、宇宙空間を疑似体験できるVRコンテンツの開発費を、ふるさと納税でガバメントクラウドファンディングすることに。(現在は受付を終了しています)
138人・2,800万円の寄付が集まり、宇宙体験が可能なVRコンテンツが完成。
寄付者からは「夢があっていい」「子どもたちが宇宙を感じられる素敵なプロジェクト」といったコメントが寄せられました。
宇宙に一番近い町 ~最新技術(VR)で宇宙を感じるプロジェクト始動~
宇宙に一番近い町「肝付町」では、地方創生の一環として宇宙に関連する様々な事業を行ってまいりましたが、今回新たに『宇宙に一番近い町、肝付~最新技術(VR)で宇宙を感じるプロジェクト~』として、日本初のバーチャルリアリティ(VR)を利用した地方創生の取組みを開始いたします。(プロジェクトページより抜粋)
宇宙にまつわる3つのテーマから「宇宙脳」を育む
肝付町のVRコンテンツは次のような3つのテーマから構成され、体験した人の「宇宙脳」を育てるように制作されています。
1.光を目指す旅
光の速さ(=時速10億8,000万km)をVRとCGで表現し、宇宙空間で惑星間の移動が体験できます
2.広大さの果てへ
VRとプロジェクションマッピングで表現され、宇宙の大きさを全身で感じられます
3.美しきランデブー
最先端技術でリアルな地球が再現されています。VRで無重力が体験でき、宇宙空間から眼下に広がる地球が見られます
このVRコンテンツは基本的に肝付町でのみ体験できますが、機能を限定した動画がYouTubeなどで公開される予定です。
肝付町では今後、公営美術館所蔵の美術品もコンテンツに追加し、VRスペースミュージアム(宇宙美術館)を目指しているそうです。
おばあちゃん家でわいわい!VRで地域に貢献
兵庫県南あわじ市は、2016年から「あわじ国」という架空の独立国家ストーリーを展開させ、地域PRを行っています。
移住をふくめ人々に満足してもらう「国づくり」を進め、新しい観光商品の開発なども盛んです。
その一環で「バーチャン・リアリティ」というVRコンテンツを制作・公開しています。
スマートフォンとVRビューアー、またはパソコンでも一部のブラウザ環境であれば利用可能で、バーチャン(=おばあちゃん)をはじめとしたあわじ国のみなさんと一緒に、あわじ国の食材を使った食事が並ぶ食卓を囲むという内容です。
朝ごはん編と夜ごはん編があり、360°アングルなので、まるでふるさとのおばあちゃん家で、みんなでわいわいご飯を食べているような感覚が味わえます。
あわじ国バーチャン・リアリティ
ひとりで食べても、みんなで食べるおいしさを味わってほしい。
その想いで開発されたのが、あわじ国バーチャン・リアリティです。
(「バーチャン・リアリティ」サイトより抜粋)
ふるさと納税で食材が手に入る!
バーチャン・リアリティの公式サイトでは、コンテンツ内に登場するあわじ国の食材を使った食事のレシピが公開されています。
・シャキシャキレタスのお味噌汁
・おろし玉ねぎのちりめん和え
・あま〜い玉ねぎステーキ
・淡路ビーフステーキ〜玉ねぎおろしポン酢ソース
・かんたん玉ねぎドレッシング
食材になっているあわじ国特産の玉ねぎや淡路ビーフなどは、ふるさと納税であわじ国(南あわじ市)の返礼品として選べるので、実際に料理を作り、バーチャン・リアリティを再生しながら食事するのも楽しそうですね。
やけどやケガに注意
VRビューアーを装着すると、視界が制限されます。
熱い食べ物やナイフを使う際には、やけどやケガに気をつけてくださいね。
再生前に1口サイズに切っておくと安全です。
見た目は味気ありませんが味は一緒ですし、ビューアーを装着すれば、バーチャンたちとの賑やかな食事の楽しい雰囲気はそのまま。
安全に楽しむにはオススメです。
VRは13歳未満のお子さんや、妊娠中や乗り物酔いしやすい人、体調が良くない時の利用は避けてくださいね。
さまざまな楽しみ方ができるVRですが、これからはふるさと納税にもどんどん活用されそうです。