「恋人の聖地」をご存知ですか? 恋人の聖地は、全国にある数々の観光スポットの中から「プロポーズにふさわしいロマンティックな場所」として選ばれた場所です。NPO法人地域活性化支援センターによって選定され、選定地には聖地のモニュメント像が設置されています。
家族や友達と楽しむ旅行もいいけれど、たまには恋人と二人っきりでロマンチックな旅行をしてみたい。今回はそんな方におすすめの、「恋人の聖地」をご紹介したいと思います。
浜野浦海岸の棚田(玄海町)
幾重にも重なる棚田、緑濃く茂る木々、そして絶景には欠かせない玄界灘を望む海。小さな入江にあるこのスポットは、季節に応じてさまざまな景色を見せてくれます。
とくに4月下旬~5月上旬が一番の見ごろで、田植え時期を迎えた棚田はきらきらと光る鏡のよう。夕刻には水平線に沈む太陽が海を赤く染め、周囲の山々は額縁のようなシルエットを作り出します。オレンジ色に反射した水田はまるで階段のように連なり、一枚の絵画のような幻想的な風景を見ることができるでしょう。
春には菜の花の黄色、夏には木々の緑、秋には稲穂の黄金色、冬には刈り入れを終えた大地の茶色と、四季折々の色を楽しめるのも魅力の1つ。移ろい行く季節、天候や時刻によって、さまざまな表情を見せてくれます。
283枚の水田で構成されるこの棚田は、戦国時代から江戸時代にかけて築かれ始めた歴史を持ちます。変わらないその景色に、「昔もこの景色を見た恋人たちがいたのかも」と思いを馳せずにはいられません。ムードを盛り上げたいカップルや二人の距離を縮めたいと思っている方は、是非足を運んでみてくださいね。寄り添って見る夕日はとてもロマンチックで、告白やプロポーズにもピッタリなスポットです。
浜野浦の棚田
・玄海町ってどんな町?
玄海町は、佐賀県西北部の東松浦半島に位置している町です。西には雄大な玄界灘を望むことができ、リアス式の海岸は国定公園に指定されています。温暖で寒暖差の少ない気候、全国有数の漁場である海、標高の低い山が波状的に起伏している上場台地(うわばだいち)という特徴を持つことから、漁業や畜産業を中心に栄えてきた地域です。
玄海町には多くの特産品がありますが、中でも「人の数より牛の数が多い」と言われるほどに牛の育成が盛んで、佐賀牛は全国的に高級ブランド和牛として知られるようになりました。その肉は「艶さし」と呼ばれる美しい霜降りが特徴的で、味・質ともに高品質な高級和牛として人気があります。
また、自然の地形を活かして作られた釣堀「つりセンター玄海」、自然の景観を活かして整備された「三島公園」など、自然を満喫できる観光スポットが数多くあります。海と山、木々や花々、人と動物。自然が溢れて活気のある町、それが玄海町なのです。
海王丸パーク(射水市)
富山湾に面した14.2ヘクタールに広がるベイエリア海王丸パーク。このエリアは海の貴婦人とも呼ばれる「初代帆船海王丸」を中心にした大きな海浜公園で、海のロマンを満喫できるスポットです。
このスポットの大きな特徴は、その広さにあります。ふれあい広場・ピクニック広場などの芝生エリア、催事が多く賑やかなイベント広場、レストランやパーゴラ(つる性の植物をはわせる棚)など、シーンに合わせて利用できるエリアに分かれていて、家族連れからカップルまで幅広く楽しめる憩いの公園となっています。年間を通してさまざまなイベントが開催されていることから、休日には多くの人々が観光に訪れます。
その中でも、カップルにおすすめしたいのは親水護岸エリア。その名の通り海に面したエリアで、海に浮かぶ海王丸、季節ごとに咲く花々を見渡せるロマンチックなスポットです。夕日を見ながらの語らい、海に浮かぶ街灯りでムードな夜のひとときなど、恋人たちの雰囲気作りにはピッタリではないでしょうか。
海王丸パーク全景
・射水市ってどんな町?
射水(いみず)市は日本海へと続く富山湾に面した地域で、富山県のほぼ中央に位置している町です。環日本海交流の拠点地として発展してきた歴史があり、漁業を中心に栄えてきました。
新湊漁港ではズワイガニやベニズワイガニ、ブリ、ホタルイカ、ゲンゲなど季節に応じた美味しい海産物が水揚げされています。富山湾特有の地形である「あいがめ」の恩恵を受け、この地でしか獲れない魚介類もあるそうです。「あいがめ」は「藍瓶」と書きます。海底に深い谷があり、海の色が急に濃く青くなっていることから、こうした名前がついています。射水市は、とくに世界的にも珍しい生物シラエビ(シロエビ)の産地としても有名な町です。
また歴史の古い建造物が数多く見られる町でもあります。縄文時代の貴重な遺跡である串田新遺跡、明治期の洋風建築が残る小杉展示館、約930年の歴史がある加茂神社など、時代を偲ばせるスポットを散策するのも良いでしょう。
「イミズムズムズ」をキャッチコピーに、射水ブランドの推進・楽しいことに取り組む町、それが射水市です。
もみじ谷大つり橋(那須塩原市)
那須塩原市にあるもみじ谷大つり橋は、全長320メートルもの長さがあります。無補剛桁(むほごうけた)歩道つり橋としては、本州では最大級の長さを誇るつり橋です。
周囲の塩原渓谷では、新緑の季節に、紅葉色の深まる秋に、雪化粧が幻想的な冬にと、季節に応じてさまざまな景色を見ることができます。そんな塩原渓谷を見渡せるこのつり橋は、森林浴やハイキングのコースだけではなく、観光においても人気の高いスポットと言えます。雄大な山々と流れる渓流を望む360度の大パノラマは圧巻で、恋人たちの距離をぐっと縮める舞台にピッタリですよね。とくに夕日の見える時間には周囲の自然が赤く溶け込んで、まるで時間が止まったような気分を味わえます。
6~7月にかけては「カップル歓迎月間」のキャンペーンも行っていて、近辺の宿泊施設や飲食店ではカップル向けのさまざまなサービスを受けることができます。いつもとは一味ちがう二人だけの特別なデートを、是非楽しんでください。
もみじ谷大吊橋
・那須塩原市ってどんな町?
那須塩原市は栃木県の北部に位置している町で、日本最大級の扇状地である那須野が原のほとんどを市域としています。気候は平野部と山間部で大きく異なり、内陸性気候で寒暖差の激しい平野部に対して、山間部は夏は涼しく冬は積雪しやすい低めの気温となっています。
扇状地に牧場が多いことから酪農が盛んで、本州では1位、全国では2位の乳牛農家数を誇ります。また扇状地中央部には水田地帯が広がり、お米の生産も多く行われています。
全国有数の温泉地としても知られ、市内には塩原温泉郷、板室温泉、三斗小屋温泉などがあります。とくに塩原温泉郷は別荘地としても有名で、明治時代には多くの文豪たちが別荘を置いていたそうです。数々の名士別荘跡地も残されていて、記念館や神社などの歴史的建造物を数多く巡ることができます。
自然と歴史をさまざまな角度から満喫することができる町、それが那須塩原市です。
今回はおすすめしたい「恋人の聖地」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。特別な人と特別な場所でロマンチックな景観を味わう。それだけで二人の距離は、もっと近くなることができるはずです。プロポーズに、記念日に、是非足を運んでみてくださいね。